米国のウェブ・インテグレータに株価の底打ち感が出てきた。素早いリストラの実行と株式市場の持ち直しを受けて、株価は12月以降、反転の兆しを見せている。勝ち組み企業はサピエントとダイアモンドクラスターの2社。負け組み企業は株価が2、3ドルを下回っている会社群である。
日本で株式公開しているウェブ・インテグレータは5社あるが、いずれの会社もウェブ・インテグレーション専業といい難い。日本を代表するウェブ・インテグレータはメンバーズとネットイヤー・グループであろう。どちらの会社も現時点ではまだ株式公開を果たしていない。
日本のウェブ・インテグレータは業態確立が果たせるか、それとも大手企業の軍門に下るかの瀬戸際にある。株式公開による資金調達とストックスワップを活用して派手なM&Aを展開しようとした目論見は、見事に外れた。ブランドの未確立、人材・スキルの偏りなど課題は山積だ。
ウェブ・インテグレーション事業の将来性、成長性は引き続き明るい。大手企業のウェブ投資、eビジネス投資は当面高水準が続こう。ドットコム企業の投資絞込みによるマイナスの影響も限定的だ。しかし、このことはウェブ・インテグレーション事業をベンチャー企業が担うことを必ずしも意味しない。伝統的な大手SI企業の一事業部門に集約されていく可能性もある。
先日、ネットイヤーグループの小池聡代表取締役CEOと石黒不二代代表取締役社長兼CEOにインタビューする機会を得た。業界の行く末に危機感を持っている点でウィット・キャピタル証券と認識が一致した。同社は「スイミー戦略」によって同業ベンチャーと提携し、大手企業と競争していく意向だ。
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