2000年のゲーム業界はプレイステーション2(PS2)で幕を開けた。2000年3月に発売されたゲーム機本体は、前評判通りの人気で、年末までに国内で400万台を出荷した。しかし、国内のゲームソフト市場は販売本数が15%減(「エンターブレイン」調べ)と底冷え状態が続いた。ゲーム関連銘柄の株価は、いわゆるITバブル崩壊を挟んで明暗を分けた。任天堂(7974 東1、18,030円)やコナミ(9766 東1、8,090円)、カプコン(9697東1、3,570円)などは、2000年1月~3月の高値からは値を下げたが、99年半ばの水準もしくはそれ以上の株価で年を越した。
2001年のゲーム市場について、1)ゲームソフト市場の復活はなるか、2)新ハードの登場、そして3)個別企業の転換点、の3点をテーマに、展望を描いてみたい。
ゲームソフト市場復活の鍵は、固定ファン以外を呼び戻し、新規ユーザーをどれだけ取り込めるかにかかる。PS2に向けて各社が投入するソフトは、シリーズものの続編が中心となる。となると固定ファンを維持し、呼び戻す効果は期待できるが、新規ユーザーの獲得は未知数である。したがって、2001年度のゲームソフト市場はよくて99年度並に回復する程度で、そこから成長軌道に乗るかといえば、過度な期待は禁物であろう。標準プラットフォームとして最有力なのはPS2である。後発2社が発売する頃には国内では1,000万台近く普及していることが予想されるため、この時点で市場として成立し、十分なリードを取っているだろう。
ゲームソフト市場が2000年よりも良くなるというのがコンセンサスであるため、業績が伸びる企業は買われ、逆は売られることになろう。後は特殊要因に対する市場の許容度次第で、これは地合いと相談していくことになる。
第一のターニングポイントは、やはり5月の決算発表時の来期予想数字だろう。どのような根拠でどのような数字を各社が出してくるかで、投資判断が大きく変わるところである。全体的な投資スタンスとしては、前半は慎重に、実績を見ながら後半に掛けて銘柄を絞り込んでいきたい。
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