2000年度上期は、売上高・営業利益における前年同期比でみて、20%増前後の増収増益を達成した多数のメーカーが輩出した。特に電子部品メーカーにおいてそれが顕著であり、総合電機セクターでも電子部品部門の牽引が大きかった。
しかし2000年度下期に入ってPCと携帯電話における世界需要の鈍化傾向が鮮明になっており、2001年は単なる企業業績のトーンダウンにとどまらず、この失速を引き金にして電子部品市場における強者と弱者のメーカー選別が進むと考えられる。
あわせて個々のメーカーにおける不採算部門の切り出し、それに伴う業界の再編・淘汰が深まると予想される。また進展が続くメーカーと伸びの停滞し始めるメーカーというように二極化されてくる可能性が高い。今後は儲かるメーカーだけが儲かる時代に突入する(それが加速する)ことになると予想される。
需要展開面からは通信とデジタルとモバイル(機器)が最大のドライバーであり、今後通信デバイスの役割がますます高まろう。21世紀初頭からは通信リソースに弱い電子部品メーカーは次第に生き残れなくなる可能性も高い。
電子部品における勝ち組みの代表という点でみると、やはり村田製作所(6981 東1、13,170円)とローム(6963
東1、21,520円)がその筆頭となろう。両社とも積層コンデンサやカスタムIC等のいわゆる「部品の必需品」の分野で強い競争力を保持しており、持続的な収穫単位が明瞭となっている。
さらに2001年は収穫モデルの曖昧なメーカーから脱落する年になり、一例としてTFT液晶業界における再編は必至で、赤字になるメーカーと黒字を維持できるメーカーというように選別が強まり、赤字メーカーから撤退せざるを得なくなる可能性も高まる。
他の電子部品業界においても多かれ少なかれ同様のメーカー選別が強まる。その意味で2001年は電子部品各社固有の実力真価が問われるとともに、メガ・カンパニーとしてそれぞれの電子部品業界で生き残るための重要な転回点になろう。
詳細はこちら
関連するリサーチレポートはこちら
TFT大型市場で優位に立つ
韓国2社の次世代戦略
シャープ(6753)
液晶が成長商品でなくなりつつある時代の曲がり角に立つ難しさ
ホシデン(6804)
ここ1年から2年の収穫モデルが確立されており短期的には「買い」
2001年、TFT液晶(LCD)業界の再編は必至
(市場分析編・前編)
2001年、TFT液晶(LCD)業界
の再編は必至(市場分析編・後編)
|