米国ウェブ・インテグレータの株価が急落している。夏以降軟調だった株価は、11月に入り下げ足を速め、現在はセピエントを除き大手ウェブ・インテグレータの株価は10ドルを割り込んでいる。有力な顧客としていたB2Cやドットコム企業と呼ばれる新興企業が経営破たんしたり経営不振に陥り、ウェブへの湯水のような投資を中止したり、投資規模を縮小したことが影響した。
それでも日本のウェブ・インテグレータへの影響は軽微だろう。ドットコム企業のウェブ投資で潤ったウェブ・インテグレータは日本ではほとんどお目にかかれない。そもそも日本では、Eコマースの主たる担い手はドットコム企業ではなく、大企業である。
ウェブ・インテグレータとは、ウェブサイトを中心としたEビジネスの指南役である。基幹システムとの連携ニーズが事業規模の拡大を促す要目だ。米国では企業買収が業容を拡大する手法となっている。
国内では既存勢力が金のなくなった新興勢力を買収したり、新興勢力がIPOを成功させて、小が大を食うこともあろう。日本勢が海外勢の買収に乗り出す可能性も否定できない。
ECブームの第1ステージは、カリフォルニアのゴールドラッシュに似ている。「金」を掘り当てようとするEC事業者よりも、掘るための「つるはし」を提供するテクノロジープロバイダに投資するほうが賢明である。大Eコマース時代が到来すればEC事業者が投資の主役になろう。Eコマースの第2ステージ、ウェブ・インテグレーションの競争環境は比較的穏やかだ。ECサイトの構築ツール業界はハイリスク・ハイリターンだといえる。
詳細はこちら
関連するリサーチレポートはこちら
ソフトウェアトレンドウォッチ(vol.1)ソフトウェア㈱が上昇する3つの理由
サイトデザイン(4818)
ECサイト構築ツールベンダーとして初の株式公開企業
Webコンピューティング市場に現れる新しいプレーヤーを探る 戦略的なWebデベロッパーは日本に浸透しつつある
|