11月27日付で発表された東京放送(9401 東1、3,930円)の2001年3月期上期の決算は、昨年10月から復活したTV広告市場の好調さをそのまま受けて、好決算となった。連結の経常利益は、2000年3月期通期の92%に達している。個別の費用項目に照らしての実績は明確ではないものの、ラジオ、制作、スポーツ部門の分社化によるコスト削減効果が利益水準を押し上げたという。
決算内容および、通期の修正見通しは10月23日付の上方修正発表とほぼ同水準で、下期に入るとややペースダウンとなる見通しである。昨年10月からスポット市場が急回復したことから、変化率が頭打ちとなることに加え、2001年1月からの第4四半期のスポット市場の動向が不透明であることが要因となっている。
12月1日から、BSデジタル放送への出稿状況は好調で、主要な枠はほとんど売れている。民放各社の中でもっともBSデジタル放送事業に注力している同社としては、幸先のいいスタートといえる。しかし、初期の試験的な出稿も多分にあると考える。このため、2001年4月からの新しい年度で視聴者数・視聴率に応じて、どれだけの広告収入を得られるかを見ていく必要がある。BSデジタル放送事業は、21%の持分が同社の連結決算に反映し、2001年3月期は10億円、2002年3月期は20億円の損失となる見通し。
株価(円) |
3,930
|
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52週レンジ(円) |
2,680-6,250
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(2000年11月27日) |
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発行済株数(千株) |
174,912
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時価総額 (十億円) |
687.4
|
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ROE(%) |
5.2
|
決算期 |
99/3
|
00/3
|
01/3予
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売上高 (十億円) |
254.4
|
260.7
|
282.5
|
EBITDA(十億円) |
29.4
|
35.5
|
43.0
|
経常利益 (十億円) |
16.3
|
22.4
|
32.5
|
当期利益(十億円) |
8.2
|
13.7
|
19.0
|
EPS (円) |
47.1
|
78.2
|
108.6
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PSR (倍) |
2.7
|
2.6
|
2.4
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PER (倍) |
83.4
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50.2
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36.2
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(注)EBITDA:償却前営業利益
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