ウィット・キャピタル証券ではシャープ(6753 東1、1,317円)をカバレッジ企業に取り上げる。レーティングは「保有」からスタートする。
同社の事業展開は、戦略商品である液晶が次第に成長商品でなくなりつつある転回点に差しかかっている難しさにあると考えられる。これには一面成長から成熟安定へ向かいつつあるという見方も成り立ちえようが、特に2002年3月期から中期にかけて部品事業が大きく牽引していく上でのモメンタムとして多少の弱さもうかがえる。
液晶における大型TV等への注力と中小型分野への拡充シフト、いわゆるASIC(カスタム対応志向)的なビジネス展開の強化、デバイス部門における営業利益面での半導体や液晶以外の電子部品のウェイトが増すなどの液晶依存からのリスク分散を図る動きなど、戦略志向の一端も垣間みえる。
しかし98年3月期以降の当期利益水準の低下傾向、関連して損益分岐点比率の高さ(高コスト体質)、償却負担の増大化傾向などの課題も散見される。また前述のように中期にわたるモメンタムを支えていく上での若干の弱さも見られる。いずれも次代の有力な電子部品メーカーとしての色彩を強めようとする限り、必須となる課題であろう。
同社における2001年3月期の連結売上高は、商品部門計1兆2,725億円、電子部品計7,285億円の2兆10億円(前年同期比7.9%増)を予想する。営業利益で1,039億円(同39.5%増)、経常利益で783億円(同33.3.%増)、当期純利益371億円(同32.2.%増)を予想し、2002年3月期の売上高は同4.8%増の2兆962億円、2003年3月期は同3.8%増の2兆1,766億円を予想する。
株価(円) |
1,317
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52週レンジ(円) |
1,281-2,640
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(2000年11月24日) |
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発行済株数(千株) |
1,126,595
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時価総額(十億円) |
1,484
|
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ROE(%) |
3.0
|
決算期 |
99/3
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00/3
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01/3予
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02/3予
|
03/3予
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売上高(百万円) |
1,745,537
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1,854,774
|
2,001,000
|
2,096,218
|
2,176,612
|
EBITDA(百万円) |
174,299
|
220,848
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261,900
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261,343
|
266,435
|
経常利益(百万円) |
26,102
|
58,745
|
78,300
|
77,934
|
83,190
|
当期利益(百万円) |
4,631
|
28,130
|
37,193
|
38,967
|
41,595
|
EPS(円) |
4.1
|
25.0
|
33.0
|
34.6
|
36.9
|
PSR(倍) |
0.9
|
0.8
|
0.7
|
0.7
|
0.7
|
PER(倍) |
320.4
|
52.7
|
39.9
|
38.1
|
35.7
|
(注)EBITDA:償却前営業利益
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