ジャフコ(8595 店頭、12,500円)の2001年3月期上期決算は、連結売上高363億円、営業利益180億円、経常利益178億円、当期利益103億円と予想通りの好決算となった。2000年3月末に営業投資有価証券の評価益(含み益)が1,246億円に達していたことを考えるとこの好決算は予想通りである。
同社の投資先企業の公開企業数は、上期においては国内24社、海外6社の合計30社となった。また、初値ベースの投資倍率(初値/取得価格)も国内は前期並みの9.6倍と高倍率となった。国内の投資先公開企業数24社のうち、東証マザーズに8社、ナスダック・ジャパンに5社の株式公開となった。上期の初値ベースのキャピタルゲインは207億円となり、初回投資から株式公開まで2年以内の公開企業の構成割合が75%を占めている。新市場(東証マザーズ、ナスダック・ジャパン)の創設が同社にとって追い風となった。上期におけるエクイティーによる投資件数は218社、投資金額234億円と高水準の投資活動が続いている。
同社が中期経営計画で打ち出している柱は、(1)「ビルド ザ カンパニー」、(2)プライベートエクイティー投資への集中、(3)グローバル展開の3つであるが、(1)と(2)における進捗にやや遅れがみられる。
同社の投資収益率とJASDAQ指数との相関度は0.88と極めて高い。これは、ベンチャーキャピタル事業の性格上やむを得ないものであるが、投資先企業の企業価値を高める活動を通じて、より自律的な成長をはかっていくことも可能となろう。相場の先行きは不透明になりつつあり、レーティングを「保有」に変更する。
株価(円) |
12,500
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52週レンジ(円) |
10,000-43,500
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(2000年11月22日) |
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発行済株数(千株) |
48,250
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時価総額(十億円) |
603.1
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ROE(%) |
6.4%
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決算期 |
99/3
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00/3
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01/3予
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売上高(十億円) |
34.4
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59.6
|
64.0
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EBITDA(十億円) |
34.4
|
59.6
|
64.0
|
経常利益(十億円) |
5.4
|
16.6
|
28.0
|
当期利益(十億円) |
-8.2
|
7.4
|
15.0
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EPS(円) |
-171.4
|
154.5
|
310.9
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PER(倍) |
-
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80.9
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40.2
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(注)EBITDA:償却前営業利益
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