2000年11月13日付で、スカイパーフェクト・コミュニケーションズ(4795 東マ、175,000円)の2001年3月期上期決算が発表された。デジタルクラブ経由の加入者は激減したものの、ディレクTVからの移行者251,000人が加わったため、半期ベースの加入者数は574,000人と過去最高を記録した。しかし、ディレクTVに対して15万人までの移行者について一人当たり40,000円を支払ったこともあり、顧客獲得コストは上昇し、利益面では赤字となった。
10月単月の純増加入者数は46,871人と、大きくペースを落とした。ディレクTVからの移行者がピークアウトしたことに加え、BSデジタル放送の開始を前に消費者の関心が薄れ、加入者獲得が難航していると推測する。同社では、販促費を増加すると同時に、よりコンテンツの充実を図り、加入者の獲得に注力する意向である。このため、2001年3月期下期の顧客獲得コストは一人当たり36,000円強に上昇する見通しである。
2001年上期決算の発表と同時に、同社では2001年3月期通期の業績見通しを明らかにした。10月31日付けのウィット・キャピタル証券・IPOメモと比べ、利益見通しは赤字額が拡大しているが、顧客獲得コストが上昇する分として説明がつくため、ウィット・キャピタル証券の予想を会社予想に修正する。
会員獲得ペースが落ちてきているため、このままいけば同社の単月黒字は2001年後半にも実現する可能性がある。しかし、委託放送事業者が黒字化しなければ、事業そのものの存続に支障をきたす恐れがあるため、会員獲得ペースを上げていくことが継続的な課題となる。
株価(円) |
175,000
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52週レンジ(円) |
185,000-255,000
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(2000年11月13日) |
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発行済株数(千株) |
2,237
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時価総額(十億円) |
391.5
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ROE(%) |
-
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決算期 |
99/3
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00/3
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01/3予
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売上高 (十億円) |
17.6
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30.6
|
49.7
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EBITDA(十億円) |
-16.3
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-14.6
|
-22.7
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経常利益 (十億円) |
-21.0
|
-23.8
|
-28.7
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当期利益(十億円) |
-21.5
|
-24.3
|
-28.7
|
EPS (円) |
-26,901.0
|
-13,202.8
|
-11,161.7
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PSR (倍) |
22.2
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12.8
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7.9
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PER (倍) |
0.0
|
0.0
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0.0
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(注)EBITDA:償却前営業利益
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