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グピール・米ファイルメーカー
社長に聞く
[インタビュー一覧]
グピール社長
 元々は米アップルコンピュータの子会社で、Mac OS上で動くアプリケーションソフトを開発してきた米クラリスコーポレーションが設立11年後の1998年4月、データベースソフトだけを開発するファイルメーカー社に変身。それまでのワープロ、表計算、グラフィックなど多様なソフトウェアを扱ってきた華やかさが無くなり、行く末を危ぶむ声もあった。しかし、使いやすいデータベースソフトをマルチプラットフォーム環境に対応したことから、2000年9月期決算では売上高が初めて1億ドルを超えるほどにまで成長した。「データマネジメントの世界はまだまだニーズがある。やるべきことは多い」と話す同社社長のドミニーク・グピール氏に今後の戦略などを聞いた。

(聞き手 市川 徹)

――現在の成功をファイルメーカー社設立時には想像しましたか。

グピール:ある程度は見えていた。それはデータベースソフトのファイルメーカープロの目指すところにはほとんど言っていいほど競合がおらず、いわばニッチなマーケットだったからだ。

――しかしデータベースソフトは数多く多くの企業から出ている。

グピール:もちろんだ。ただ、エンタープライズ規模であればオラクル社のものになってしまうし、個人ユースや小企業なら該当するソフトが多数あった。ところがその中間が無かったんだ。中小企業が自分たちの使いやすいように加工したり、自動運転するようプログラムしたりといったソフトは皆無といってもいい。ファイルメーカープロは柔軟でプログラマーやエンジニア居なくても、いろいろな使い方ができる。そこが受け入れられた最大のポイントだったと思う。

――MacintoshにWindows、さらに今回はPalm OSにも対応した。

グピール:ファイルメーカープロのユーザーのうち30%以上はPalm機を使っていることが分かった。しかもPalmはスケジュールや住所録などデータベース的な性格が強い。だからこれを組み合わせることで使いやすさはいっそうアップすると確信した。パソコン内のデータとの同期や整合などが簡単にできる。日本ではすでにiモード端末からもファイルメーカープロへのアクセスや操作を実現しているので、Palm機との連携は大きな武器となるだろう。

――OSといえばLinuxが急成長してます。対応することも考えています
   か。

グピール:現時点ではまだ多くはコメントできないが、まず興味はあると答えたい。ただ現在のビジネスとしてのLinuxはまだサーバーレベルでの話。クライアント端末側のアプリケーションソフトが要求されるのはまだ先のことになる、と思っている。要はタイミングの問題だ。ファイルメーカープロはOSを選ばないマルチプラットフォームで使える、が大きな特徴なので、Linuxでもその姿勢は変えないつもりだ。

――日本市場でも好調なようですね。

グピール:世界で1億ドル以上の売上高があるが、このうちの25%以上は日本のマーケットで占めるものだ。米国の大手ソフトウェア会社が日本での売り上げを、まずは世界の10%を目標にして達成できたケースがそれほど多くは無いことを考えると、日本市場が当社にとってどれほど重要なものかが理解できるだろう。すでに当社にとっては北米に次いで世界2位の国だ。しかも世界を席巻する勢いを持つiモード端末もある。目が離せない市場になってきた。

■URL
・Linux OS対応も視野に~米ファイルメーカーのグピール社長が表明
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/02/20/doc2049.htm
・ウィンドウズ、マック、Palm間でデータ統合が可能に~ファイルメーカーの新ソフト
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/01/22/doc1734.htm

市川 徹
2001/2/28
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