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エリック・ガン・イー・アクセスCOO に聞く
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[インタビュー一覧]
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エリック・ガンCOO
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NTTグループが年末から本格展開に乗り出すなど、2001年はブロードバンド・インフラとしてのADSLが急速に普及する見通しだ。イー・アクセスのエリック・ガンCOO(最高執行責任者)に、ADSL事業の中期的な展望などを聞いた。
(聞き手 塩谷 麻樹)
- ――イー・アクセスのADSLサービスの現状は
- ガン:昨年11月末までで全国で約2,000人が当社のサービスを利用している。提携しているISP(インターネットプロバイダー)は9社で、サービスは東京都区部や大阪市で始めている。2001年3月までに東京都下や千葉、埼玉県まで普及する。さらに2001年6月には名古屋でもサービスを開始する方針であり、需要を見ていずれ全国展開していきたい。
- ――ADSLサービスの中期的な展望について
- ガン:郵政省は2005年までにインターネットユーザーが7,600万人に達すると予測しているが、そのうち半分の3,800万人はブロードバンドユーザーとなろう。また、政府のIT戦略会議では、光ファイバーによる超高速で1,000万人、CATVやDSLなどの高速で3,000万人がアクセスできるようにする目標を打ち出しているが、高速アクセス(3,000万人)のうち、3分の2にあたる2,000万人程度がADSLのユーザーになるとみている。当社は、そのうちの(2ケタに近い)ひとケタのシェアを確保したいと考えている。ひとケタというのは保守的な数字かもしれないが、あくまでも事業として成り立たせることを最優先している数字だと考えていただきたい。
- ――NTT東日本がDSL事業者との問題で公取委から警告を受けたが
- ガン:NTTはここ10年以上ISDNを推進してきた。もともと、ISDNから光ファイバーへ一気に移行していきたかったようだが、光ファイバーについては構想はあるものの、いつになったら全国の各家庭に普及できるのか、めどが立たないのが現状だ。当社としては、現状光ファイバーへの流れのうち、その真ん中の部分でユーザーがADSLを選択するのがベストな方法ではないかと考えている。IDSNの約20倍の速さでアクセスでき、既存のISPを使えば、ADSL用にメールアドレスを変更する手間もいらない常時接続のサービスは便利だ。
- ――NTTグループも本格参入するし、他の通信事業者などと競争のなかで、どう優位性を発揮していくのか
- ガン:まず、ネットワークの品質についてはどこよりも高いと自負している。毎日のようにトラブルが起きている通信事業者もあるなかで、当社はこれまでに1度しか障害をおこしていない。次にISPに対してのホールセール事業に特化したサービスという強みがある。つまり、既存のISPユーザーは、ADSLのサービスにスムーズに移行できる。2001年からはASP、CSP(コンテンツ・サービス・プロバイダー)との連携をさらに強化して、充実したコンテンツを流しやすいインフラを構築する。例えば、2000年11月に香港で「LUNA SEA」のコンサートの生放送ストリーミング実験を行った実績もあり、2001年からはさまざまな斬新なサービスを提供できるようになる。また自前バックボーン通信網を構築する計画もあり、料金の競争力強化にもつなげていく。
- ――2001年にADSLは飛躍するでしょうか
- ガン:2001年はまさにブロードバンド元年といっても、過言ではないだろう。“ADSL中毒“が増えると思っている。携帯電話だってこんなに普及するとはみんな予想していなかった。(ITの世界は)常に3倍の速さで物事は変化していく。将来は自分で簡単にプラグインできるようになるだろうし、それがADSLユーザーの夢なのだ。
■URL
・イー・アクセス
http://www.eaccess.net/
・イー・アクセス、ADSL提供地域を拡大へ
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/11/30/doc1209.htm
・NTTに独禁法違反の疑い、“郵政省離れ”の通信業界
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/10/31/doc876.htm
・NEC、月2,200円でNTTの「フレッツ・ADSL」対応サービス
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/12/20/doc1484.htm
塩谷 麻樹
2001/1/9
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