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ゲームに投資(1月22日更新) [ゲームに投資一覧]

 先週のゲーム株は、イマジニア(4644)、翔泳社(9478)、アトラス(7866)、テクモ(9650)などが軒並み30%を超える大幅上昇となった。なかでもイマジニアの上昇率は89%にも達し、約1カ月ぶりに1000円台を回復して終了した。一方、下落幅が大きかったのが先々週大幅高したティーアンドイーソフト(9611)であり、先週1週間で31%の大幅下落となった。

●恐るべし!マーケットメイク銘柄
 先週最も値上がり率が高かったのが、イマジニアであった。週初である1月15日には540円の安値をつけ、1998年10月6日の公開来安値である502円に肉迫する水準まで下落したが、その後は連日のように上昇。“マーケットメイク銘柄”であるだけに、短期間で約2倍のパフォーマンスを実現することができた。そもそも、マーケットメイク銘柄は、98年から導入された店頭株式売買の新ルールである。

 現在、数十銘柄が存在し、その特徴としては、まず値幅制限(ストップ高、ストップ安)が存在しない、ということのほか、複数の証券会社間で同時刻に異なる価格が存在する可能性があるということなどが挙げられる。実際、イマジニアは、株価が1000円以下にも拘わらず“+130円、+130円、+170円”と3度も1日の値上がり幅が100円を上回る日が存在し(通常1000円以下の株価の1日の値幅制限は100円以下)、結果として高パフォーマンスを実現できたのである。

 それでは、なぜこんなに上昇したのであろうか。それは、イマジニアに限らず先週急上昇した翔泳社やアトラス、テクモなどに共通して言えることなのだが、“単なる自律反発”と考えて良いだろう。先週は、日経平均が連日上昇するなど相場環境が非常に良く、直近で“売り込まれた(下落率の大きかった)銘柄”の上昇率が非常に高かった。

 イマジニアの場合も昨年11月9日の高値(1400円)から1月15日の安値(540円)までの僅か2カ月強の下落率は61%に達し、先週上昇率第2位の翔泳社の場合も、昨年11月30日の高値(213万円)から1月12日の安値(88万円)までの下落率は58%に達していた。であるから、先週の値上がり率上位にランキングされている銘柄は、「特に新規の材料が出たということなく」上昇しているのである。そして、現時点でもまだまだ下落率の高い銘柄はゴロゴロしている。“宝物探し”の感覚で是非挑戦してみてはいかがであろうか。

●本当の理由
 先週のこのリポートで、上昇率第1位のティーアンドイーソフトについて触れた。そして、その上昇理由を(1)昨年11月に発表した業績予想で通期の経常損益が黒字転換することが“買い安心感”に繋がった(2)全体相場の地合いの悪さから一部の値動きの良い銘柄に“短期の値幅取りの資金が流入”した(3)最近“PS2用ソフトに特化している”―などと、“もっともらしい”理由を3つ並べて説明したものの、本当の理由は「米ディズニーの提携」という別のところにあったということが判明した。

 最近良く見られる光景ではあるのだが、何か特別な材料(良い材料、悪い材料に拘わらず)が出る直前に株価が“極端な方向”に動く傾向にある。つまり、ある一部の人間(その特別な情報を知り得る立場にいる人間)がその材料が発表される前に、いわゆる“インサイダー取引”を横行させている可能性があるのだ。今回のティーアンドイーソフトの場合を「必ずそうだ」と断言するものではないものの、「米ディズニーと提携」という超ビッグなニュースが発表になる前に株価が大暴騰した。

 しかし、一般の投資家はこの事実を知らないため、「なぜ上昇しているのか不思議でしょうがない」のである。であるから、私のように“もっともらしい”理由を並べて“後講釈”するのである。

 現在の社会はいわゆる“情報化社会”であり、株式投資を行う人にとって、“情報の格差”というのは致命的なものになっている。それは当然、「早い、遅い」の差もあるもの「知っている、知らない」の差もそれ以上に大きいものである。今後は、“投資家の機会平等”を重要視して、ティアンドイーのような“異常な動き”をした銘柄は“売買停止”にするなど、臨機応変な措置を市場に求めたいものである。

●赤字転落をバネに
 先週末、株式市場が閉じた後、超ビッグニュースが飛び込んできた。あのファイナルファンタジーで有名なスクウェア(9620)が赤字に転落したと発表されたのである。その直接的な原因は「ファイナルファンタジーX(テン)」の発売時期を来期に延期したことであり、連結の売上高見通しを833億円から715億円に引き下げた。

 鈴木尚社長は19日の記者会見で「FF10」の発売を7月まで延期すると明らかにし、「トップブランドであるFFの名前をつけるには品質がいま一歩至っていなかった」と説明。さらに前作「FF9」発売時に「試験が終わっていなかった反省もあった」と付け加えた。その上で7月よりさらに先送りすることはないと強調し、ひとまず安心感は漂った。

 そもそも「FF10」はソニー(6758)の家庭用ゲーム機「プレイステーション2(PS2)」向けに同社が初めて発売する作品であっただけに、今回の発表は非常にショックは大きいところではあるが、PS2が部品不足により販売台数が低迷していることや、海外では「FF9」が、米国で昨年11月下旬に発売したばかりであること、更にはFFシリーズの発売間隔が“やや急ぎ過ぎ”の感があったことなどから考えると、ある程度仕方のないことなのかもしれない。そして、スクウェアにはこの赤字転落をバネに是非前作を超える素晴らしいソフトを作ってもらいたいと願うのみである。

●今週の展望
 今週は、先週のリバウンド相場が継続するとみて、直近での下落率の高かったハドソン(4822)に注目したい。昨年12月28日の高値1280円から直近の安値799円まで38%下落していたのは勿論のこと、公募・売り出し価格1450円からの下落率は44%にも達している。昨年12月に新規公開して以来全くと言って良いほど“見せ場”がなく、このリバウンド相場の流れに乗れれば大幅高もありうると期待できる。よって今週は「買わなきゃハドソン!」を強調して締めくくりたい。

□関連表
・ゲーム各社騰落率
・ゲーム各社先週の動き

フィスコ アナリスト 黒岩 泰
2001/1/22

■ゲーム関連企業リポート
・コナミ
・スクウェア
・バンダイ

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