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滝沢治雄ロジクール社長に聞く [インタビュー一覧]

 米ロジテック社の100%出資子会社「ロジクール」が、日本独自の製品開発を進めるなどユニークな事業展開で注目を集めている。マウスやキーボードなどパソコンの関連機器で世界的な地位をすでに築いているが、従来のコアビジネスともいえるOEM事業一辺倒から自社ブランドによる製品も急増している。「超一流のニッチプレイヤーを目指したい」と語る滝沢治雄ロジクール社長に話を聞いた。
(聞き手 市川 徹)
滝沢治雄社長

――世界の中におけるロジクールの位置付けを。

滝沢:ロジテックグループはワールドワイドで4つに分かれ、日本はそのうちの1つ。日本だけが完全に独立している。年間700億円以上の売上高をもつグループだが、オーストラリアを含む米国と、アフリカも加えた欧州で全体の80%以上に達する。日本はまだ数%程度ではあるものの、グループとしての日本市場への期待度や力の入り方が4リージョンの一角を占める日本という位置付けで分かると思う。

――OEMビジネスのロジテック、といったイメージも強いですが。

滝沢:確かにそういう側面があることは否定しない。コンパック社のパソコンに同梱されるマウスはほぼ100%がウチの製品だし、日本を含めた世界中のパソコンメーカーは、そのほとんどがロジテックグループと取引している。しかし、ワールドワイドでみた場合、OEM売上高は全体の50%程度だ。意識してOEMを減らそうとしたのではなく、自社ブランド製品、いわゆるリテールビジネスを強化したことが直接的な理由になるだろう。

――そうすると今後はリテールメーカーに徹するのでしょうか?

滝沢:いや、そうではない。OEMは大切なビジネスだ。ただ、パソコン市場の動きがOEMビジネスに与える影響も大きく、それによってアップダウンも激しくなる傾向がある。OEMを減らすというのではなく、リテールを増やしていくといった考え方の方が正確であろう。

――マウスやキーボードのイメージが強いですね。

滝沢:世界的にみてもその2つが強い商品なのでそれはそれで正しいと思う。ただ、今後はLeading Marketer of Information Interfacesをロジテックグループの戦略とし、CPU、モニター、プリンター以外のすべてのコンピューター関連商品は扱っていく方針だ。

――ソニー関連会社と手を組むと聞きましたが。

滝沢:ソニーコンピュータエンタテインメントのソフト開発会社、ポリフォニーデジタルと米ロジテック、そして弊社が提携した。来年初めに発売するプレイステーション2向けソフトGT2000に使うツールを我々とポリフォニーさんとが共同で開発したものだ。PS2は11月には欧州でも発売される見通しで、今回の提携は世界展開につながる可能性も出てきている。

■URL
・PS2の操作ツールでソニーと提携~米ロジテックなど3社
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/10/13/doc682.htm
・ロジクール
http://www.logicool.co.jp/cf/index.html
・ロジテックグループ
http://www.logitech.com/cf/country.cfm?PATH=/

市川 徹
2000/10/24
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