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井川幸広・C&R社長に聞く [インタビュー一覧]

 デジタルクリエーターのエージェントをビジネスとする日本では数少ない企業、クリーク・アンド・リバー社(4763、C&R)が好調の波に乗っている。今年6月、ナスダックジャパンに上場後、事業内容の分かりづらさもあって株価は低迷していたが9月に入って一転上昇基調に乗った。インドと中国を含む世界進出も計画し「クリエーターに国境は無い」と言う井川幸広社長にワールドワイド戦略などを聞いた。
 (聞き手 市川 徹)
井川幸広社長

――上場直後は株価低迷に苦労されましたね。

井川:やはり事業内容の分かりにくさが株価安の原因にもなったかもしれない。クリエーターのエージェンシーと言ってもIT関連企業にいる人でさえ、ちゃんと理解出来なかったケースもあったほどだ。しかし、その後は徐々に浸透してきたと判断している。

――なぜこういったビジネスを手がけたのですか。

井川:もともと私は、映像関連のフリーディレクターを生業にしていた。ただ、これは経験したことのある人なら、みな理解できると思うが、実質的にクリエートする部分ではない、例えば金銭的な話や営業的な作業にあまりに多くの時間を取られる、といった悩みを持っていた。しかし、その業務を代行してくれるような会社など存在しなかった。だからこそ自分でやろうと思ったわけだ。

――すでに登録クリエーターは13,000人を超えていると聞いていますが。

井川:フリーのクリエーターは全国に10万人以上はいる、と思われる。そのうちの10%強が当社に登録しているのだから、これはもうインフラそのものと言ってもおかしくないだろう。現在でも毎月200人ずつ登録者が増えていっている。

――そうなると次は海外に目を向けているのでは。

井川:具体的にはまだ言えないことが多いが、まずインドと中国・上海を考えている。C&Rグループとして現地企業との提携や合弁出資による法人設立などさまざまな方法を検討している。米国・ニューヨーク、韓国、パキスタン、英国、イタリアなどを候補に挙げている。

――攻めの手は緩みそうにありませんね。

井川:C&Rは創業以来、11期連続で増収を達成してきた。市場は拡大する一方だし、われわれも手をこまぬいているヒマなどないのというのが本音だ。登録者数にしても2002年には3万人の大台をクリアすると踏んでいる。デジタルコンテンツの総合プロデュース企業たる業績をしっかりと作っていきたいと思う。

■URL
・クリーク・アンド・リバー社
http://www.cri.co.jp/

・海外展開、まずインドと中国へ~クリーク&リバー社
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/08/30/doc279.htm

市川 徹
2000/10/6
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