本レポートは2回にわけて取り上げた市場分析編の後編(完結)レポートである。ここでは、加速する韓国・台湾メーカーの動向、TFTメーカーの差別化戦略を踏まえ、2001年に業界再編が必至となり、どのような再編図が予想されるのかについて述べる。
現状の量産規模・戦略面の切り分けからその推移をみた場合、三星、LGグループ、DTI(東芝、IBM)連合、シャープ連合が上位グループを形成し、生き残っていく可能性が高い。その他のメーカーはまだ不透明な要因も多く、今後の展開次第では脱落の可能性もある。
韓国は過去3年間に出荷数量を10倍まで拡大し、一貫してアウトプットの増大化に成功、トップダウンによる投資敢行の判断が大きく関与し、結果として投資タイミングが的中した。台湾は日本メーカーとの技術提携をベースに1999年に新規参入を果たし、コスト競争力以外にも2001年にかけて生産能力面での大幅な増強を予定しており、生産能力シェアでも2001年末に30%近くまで高まる見通しである。
日本メーカーにとっていわゆる「前門の韓国、後門の台湾」の構図が強まっている。そうした中で日本メーカーの多くが付加価値の方向に逃げようとしているが、コモディティー掌握を避けた中途半端な志向にとどまっている。
今後の液晶業界の展開として、市況の軟化と採算面の悪化から、脱落メーカーが出始め、提携や協業をうながす動きが加速、市場でのメーカー優劣の違いが鮮明化すると予想される。2001年にかけてTFT液晶業界の再編が始まるものと予想される。
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