1999年に3,360億円に達した日本のB2C市場は、2004年には6.6兆円まで拡大すると予想されている。主要プレーヤーのネット販売事業は赤字であると思われるが、未だ先行投資の段階とみるべきであろう。
これまでのB2C事業は主として、購買意欲の高い見込客をウエブサイトで待っていて「刈り取る」ことであった。今後は、インターネットのもつコミュニケーション機能を強化して、見込客を「育成」「啓蒙」する取り組みが競争力の差になると思われる。
特に、不動産、車、旅行、保険、パソコン、ビタミン剤など、頻繁には購入されない高額商品や使用方法の提供に付加価値がある商品を販売しているプレーヤーにとって、見込客の「育成」、「啓蒙」は重要な施策になるだろう。
また、コミュニケーション機能による販売促進の強化は、ネット販売での売上だけではなく、リアル販売での売上にも大きく貢献すると考える。
本レポートでは、B2C事業を販売事業としてではなく、ネットとリアル双方に対する販売促進事業としてとらえ、B2Cの集客および販売促進活動に焦点を当てて、それぞれの機能のポイントや投資家の着目点を提示する。
認知・集客には魅力的なウエブサイトが、また、販売促進にはウエブサイトとEメールによるコミュニケーション機能の強化が競争力になると考える。投資家は、認知・集客では顧客獲得コストやページビューに、また、販売促進ではリピート客比率、アクティブユーザー数、そして顧客あたり利益に着目するべきである。米国のB2C市場では、顧客数(≒アクティブユーザー数)と企業価値の間に比較的強い相関関係がみられる。
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