●参院選は与党の敗北必至
1年も先の話だが、来夏の参院選での与党敗北の可能性が高まっている。自民党の改選議員が多いにもかかわらず、有力な支持団体だった宗教団体が次々と自民党離れを起こしているためだ。
反創価学会票が濃厚な立正佼成会、霊友会、仏所念護会がいずれも「自公連立」に強く反発しており、支持団体の中では最も自民党員の多い世界救世教(MOA)でさえも自民支持に消極的。500万人を超えるとみられている自民党の「宗教票」が自民離れを起こせば、同党が壊滅的な打撃を受けることは間違いない。
●影響力強める民主「ダッシュの会」
民主党の若手議員から成る「ダッシュの会」(松沢成文代表世話人)のメンバーが、6月の衆院選後、95人に膨れ上がり、党内での影響力を強めている。民主党は、国会議員の平均年齢が49歳で、自民党より10歳も若く、さらに1~3回生が党全体の7割超という”若い政党”だ。
その大部分が「ダッシュの会」に所属しており、臨時国会での代表質問に新人の水島広子氏が抜擢されたのも、同会の存在感の表れ。そう遠くない時期にこのメンバーの中から党代表が選ばれる可能性は非常に高い。
また「ダッシュの会」は、自民党の若手集団「自民党の明日を創る会」とも近く、今後、政局の核となりそうだ。
●「HY3K」政権の誕生間近か?
何かと言えば自民党執行部から批判の的の加藤紘一元幹事長らYKKトリオが、今度は高村正彦元外相と「Y3K」を結成。野中広務幹事長らの怒りを買っている。
YKKの3人と高村氏は、自民党が野党時代の94年5月、反経世会(竹下派)を旗印に結成された「グループ新世紀」のいずれも幹部だったもので、高村氏の旧河本派会長就任を機に、月1回程度、定期的に会合することになった。
「Y3K」の4人は橋本龍太郎元首相とも近く、野中氏らとソリの合わない橋本氏も加えた「HY3K」が、ポスト森の一大勢力となる可能性がある。
政治アナリスト 北 光一
◆800字で日本の政治を読み解く「永田町の風」の次回更新は、8月21日(月)の予定です
2000/08/11
|