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永田町の風(8月7日) [政界リポート一覧]
 ●深刻!公明の”森離れ”
 連立与党の一員である公明党の”森離れ”が目立っている。自民党内で「森さんでは参院選は戦えない」とする声が高まっていることと併せると、事態は深刻だ。 先の久世公堯金融再生委員長の更迭劇では公明党の神崎代表の発言が更迭の引き金となったように、衆院選後、公明党の政権への影響力はむしろ増大している。公明幹部からは、「森首相はもって秋の臨時国会まで」との声も出ており、首相にとっては厳しい状況が続く。

 ●「優柔不断」の加藤氏、ついに動く
 優柔不断なイメージが強い加藤紘一元幹事長が、ポスト森に向け、ついに動き出した。同氏の側近議員が民主党との勉強会を開始したのをはじめ、現在、必ずしも良好な関係とはいえない公明党との勉強会にも前向きだ。

 これに対し、自民党内からは「党中党を作るもの」などの批判が集中しているが、本人は一向に意に介するふうはない。野党からの内閣不信任案提出の可能性が濃厚な秋の臨時国会は早くもきな臭さを増してきた。

 ●新人議員の代表質問に与党からも賛辞
 低調な国会論戦の中にあって、唯一?元気がいいのが女性議員たち。特に衆院代表質問の初日、恐らく史上初めて新人議員として演壇に立った若干32歳の水島広子氏(民主党)に対しては、敵方の自民党幹部からも「しまった! 我が党も小渕優子を立てるべきだった」との声が漏れてきたほどだ。

 女性議員といえば、これまでは”添え物”扱いを受けることが多かったが、若くフレッシュな水島氏の活躍は注目に値する。同氏はそう遠くない時期に民主党の顔となる可能性を秘めている。

 ●金丸氏の二の舞か?
 北方領土問題の棚上げを示唆した野中自民党幹事長の発言は一昔前なら「売国奴」と指弾されかねないもの。同氏は、停滞している日ロ平和条約交渉に「風穴を開けたかった」と弁明しているが、領土問題を棚上げしてロシア側がいう「友好条約」を結べば、北方4島は二度と戻ってこない。

 野中氏は故金丸信氏の”2代目”を目指しているとされるが、金丸氏が1990年に北朝鮮を訪問。その際、「戦後の償い」を約束し、国内で厳しい批判を受け失脚の原因となったのは記憶に新しい。野中氏が金丸氏の二の舞とならないとは決して言い切れない。

  

政治アナリスト 北 光一

◆800字で日本の政治を読み解く「永田町の風」は、毎週月曜日に更新します。

2000/08/07
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