【高速道IT化に商機-ノンストップ料金所本格稼動】
(29日 日経朝刊)
有料道路の料金所で停車せずに決済できるノンストップ自動料金収受システム(ETC)がスタートする。ETCは、2015年までに累計60兆円の市場を創出すると言われている高度道路交通システム(ITS)の先駆けとなり、この巨大市場がいよいよ動き出す。
●総合的に取り組む松下通信
ITSはクルマを含むあらゆる移動体と、それら移動体が利用する施設やシステムをコンピュータがデジタルデータのやり取りによって結び付け、「効率的で環境にやさしい」移動のための情報を提供する包括的な社会システムで、高効率移動社会を実現する核になる。
(1) 幹線道路の渋滞情報をカーナビなどに提供する「VICS」 (2)高速道路の料金所の渋滞を解消する「ETC」 (3)走行中の事故防止を目的に路上の情報を刻々ドライバーに知らせ、危険が迫った際にはブレーキ操作を支援する「AHS」 などがある。
「ITS」の稼動に伴い、各種の車載器は急速に普及し、一方、道路側の情報発信設備も大きな需要をうみだす。この「ITS」に総合的に取り組んでいる松下通信工業(6781)は、カーナビゲーションではトップの実績を誇り、ETCについては実用化に最も貢献した企業で、多様な関連市場を開拓できる事業基盤を持つITS関連の中核銘柄で、長期投資妙味大だ。
■URL
・松下通信
http://www.mci.panasonic.co.jp/
【証券税制見直し-相続課税軽減は見送りも】
(29日 読売朝刊)
政府・与党が先にまとめた緊急経済対策で「証券関連税制の抜本的な改正」を打ち出したが、マーッケトはこの具体化に注目していた。しかし、自民党税制調査会や財務省は抜本的見直しには慎重であり、急速にトーンダウンしていることに懸念が広がる恐れがでてきた。
●マーケットに不信感も
東京株式市場活性化の最大の処方箋が、個人金融資産を株式市場へ向かわせるための「証券税制改革」であることは周知のことだ。現在、日本の個人金融資産の内訳が銀行預金・郵便預金が57%、生損保・信託が31%で、株式へは6%、投資信託へは3%とその比率は極めて低くなっている。それだけに個人が資産運用方針を見直し、株式や投信にスムーズに資金が流れるようにする視点から、証券税制を変えることが必要とされるのだ。
しかし、自民党税調と財務省は大幅減税につながることを警戒し、証券市場活性化という視点を欠落させた税制改正案を検討している。特に、株式・投資信託による相続・贈与への課税軽減を見送ることは、完全な骨抜き案となる。
株式・投資信託を子孫への譲渡資産としての価値を高める相続・贈与税軽減こそ、長期的にみて個人金融資産を株式市場に向かわせるきっかけになる。それゆえ、自民党税調、財務省の消極的な姿勢に対しマーケットは強い不信感をつのらせてくるだろう。
【FINANCE Watchから】
●NEC、ネットワーク事業で大規模な組織改革(3/28)
NEC(6701)がグローバル競争に勝ち抜くため「ブロードバンド&モバイル」事業に集中する。特に、プロジェクト事業では光ネットワーク、IPネットワーク、モバイルワイヤレスの3事業を重点強化し、中でも光ネットワーク関連売上は2001年3月期の3,500億円を2004年3月期に7,000億円~1兆円にする計画だ。同社株は大きく見直したい。
■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/03/28/doc2386.htm
[袴田まさお]
2001/3/29
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