【日銀、量的緩和を決定】
(20日 朝刊各紙)
今回の措置は、日銀に対する批判に対し、出来うる金融政策としては最後の切り札を使い、その信頼回復を狙ったものだ。ただ、いかにも遅きに失したと言わざるを得ない。それ故、今回の金融緩和が十分な効果を発揮するよう、次の政策の実行が早期になされるべきだ。
●証券税制改革を早急に
第一は、ゼネコン・不動産・流通など貸し出し先が死に体業種に滞留し、成長分野に十分な資金供給ができていない現状を打破し、銀行の持つ金融仲介機能を正常化させることだ。このため、政府が債権放棄を許容していくやり方は、市場から放逐されるべき企業の延命に繋がるだけで、不良債権を最終処理することをもっと明確にしなければならない。
第二は、銀行を通さない資金パイプを太くする政策の推進である。
これは直接金融市場を活性化することで、企業にとっては資金調達の大きな選択肢となる。この市場に個人金融資産を向かわせるための仕組みを早急に作り上げるべきで、その切り札が「証券税制改革」だ。
(1)配当への課税緩和または撤廃(2)株式貯蓄型投資に対する補助金給付、税額控除の導入(3)株式・株式投信に対する相続税の大幅緩和(4)優遇税制の仕組みを持った日本版「401K」プラン普及促進―が最も効果的なのだ。
【進む?電子政府システム~納税手続き共通化】
(21日付 日経朝刊)
財務省は、電子政府システムの目玉として2003年度までに税務申告の「電子申告制度」の完全導入を目指しているが、今回は総務省が中心となり、どの自治体でも同じようにインターネットを使って、地方税の納付ができるようにすることを狙ったものだ。
●NTTデータ、ミロクに中期材料
この電子税務申告システムは米国ではスタートしており、今後3年間で法人事業者が100%、個人が50%採用すると予測されており、日本政府も2003年以降急速に普及させようとしている。国税に加え地方税についても電子申告の共通化を行うことで、納税側の手間の軽減と税務行政の効率化が一気に進む。
国の電子申告システムは、NTTデータ(9613)とミロク情報サービス(9928)の共同プロジェクトとして落札されている。国家プロジェクトへの参入を果たしたこの2社は、国の政策変更の動きを先取りし、情報をソフト化できる優位な立場を得、コンテンツの質の高さを国より認定させており、この自治体のプロジェクトでも主役を演じると予想される。両社にとって中期の株価材料として注目。
【FINANCE Watchから】
●TDK、導波路型光通信部品市場に参入(19日)
TDK(6762)の株価が4年ぶりの安値水準に低迷している。しかし、2001年3月期の業績下方修正は完全に織り込んでおり、時価からは新材料は素直に受け入れる。導波路型光部品は2002年以降急成長が期待されている光通信部品であり、同社の光カプラー、光アッテネータの戦力化は新しい事業の核になると注目している。
■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/03/19/doc2311.htm
・TDK
http://www.tdk.co.jp/
[袴田まさお]
2001/3/21
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