【日経平均1万2000円台回復】
(16日読売朝刊ほか)
日経平均は、昨日朝方400円以上の下落をみせたあと、UFJグループの三和銀行(8320)、東海銀行(8321)、東洋信託銀行(8407)が赤字決算の方針を決めたことで急反発に転じた。
●大底圏と見てよい
昨日1日の下落そして上昇の値幅は合わせて1129円、実に9.5%に達する。大波乱商状だ。これだけの波乱は、昨年4月に天井をつけて以降初めてのことである。安値圏での波乱は底入れを示唆するケースが多いことに注目したい。
そもそも古今東西、底入れの条件は唯ひとつ。それは市場環境が悪材料に満ち満ちて、文字通り四面楚歌にあること、つまり悪材料が底値をつけるのである。今回もどうやら100%ではないにしても底入れの条件は満たしたかにみえる。日本発の世界恐慌といった類の市場集団心理の横行こそ、まさに底入れ条件に足るものである。昔から半値8掛け2割引きが相場の世界での下落の限界といわれる。すでにその限界を超えている。もはや下げすぎの段階にある。大底圏と見てよかろう。
今朝も日経平均は続伸して始まっている。
【ガソリン3月分 値上げ不発】
(16日日経朝刊)
石油元売り各社が打ち出していたガソリン3月分卸値の値上げが浸透せず、不発に終わっている。
●円安効果見えず
昨年12月以降の原油価格急落をうけて安値競争が再燃しているといわれるが、基本的には需要不足が背景にある。もっともガソリンのみならず、あらゆる商品にわたって市況が軟化している。
ここへきて景気対策、デフレ対策の一環として当局の円安誘導が見え隠れしており、実際、ドル円相場は120円台に乗せている。だがシナリオとしては玉突き的に川上から川下に価格が上昇するのが狙いだが、商品市況は一向に回復しない。需要不足のひと言だが、この結果円安による輸入コスト増を負担するのは元売り、メーカーだ。
このことは結局元売りやメーカーの企業収益減につながる。一般的には素材株の株価にはマイナスである。もっとも、さらに円安が進めば、さすがに商品市況は動意ずくかもしれないが、デフレを退治するのは容易ではなさそうだ。
【FINANCE Watchから】
●シュワブ東京海上証券、4月から日本株も取り扱い(15日)
すでに60社を超えるオンライン証券がそれぞれの強みを生かし、勢力図がほぼ出来あがっているなかでのスタートである。株式市場の低迷にくわえ競争激化でむしろ再編、淘汰が始まろうとしている。苦戦は必至。東京海上火災保険(8751)株にとってプラス材料ではなかろう。
■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/03/15/doc2289.htm
[内藤新二]
2001/3/16
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