【日米首脳会談“同時利下げ”緊急課題に】
(14日読売朝刊1面)
●米政府―長期的視点の改革策を
株安の世界連鎖に対し、19日の日米首脳会談に向け、両国の緊急対策への動きがでてくる。
日銀は19日に開く金融対策決定会合、米連邦準備制度理事会(FRB)は20日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、日米の同時追加的金融緩和に踏み切る公算が強まっている。
しかし、今回の日米首脳会議での主要テーマは、日本経済の複合的デフレ不況から再生させる為の処方箋について、ブッシュ政権からメッセージが渡されることにあり、市場関係者は、この“外圧”に期待している。
米国政権は、日本の円安誘導に理解を示しており、日銀の積極的な量的緩和策を通じ(国債やドルを積極的に買い上げる)さらなる通貨供給量を保証すれば、円は1ドル=130円台も許容範囲とみているようだ。
日本政府はこの機会を捉え、通貨供給量を年率8-10%の伸びにするための超金融緩和政策に踏み切るべきだ。
今の複合的デフレ不況からの脱却のためには、通貨供給量の拡大と円安、そして減税を政策の柱とし、最低3%程度のインフレ率の目標を設定するなど、国民の不安を取り除き、先行きへの信頼感を取り戻すため、長期的視点に基づいた改革策が、米国政府から要請されるだろう。
【トヨタ、設備投資8000億円維持】
(14日日経朝刊より)
●グローバル戦略完結へ
トヨタ自動車(7203)が連結べースでの設備投資を、今・来期とも8,000億円を維持し、欧州・北米・南米での生産拠点を充実させ、名実ともにグローバル戦略の仕上げに入る。
世界の自動車業界は合従連衡の第2幕目に入ろうとしており、トヨタ自動車はGM、フォード、ダイムラー・クライスラーの次なる手に真っ向勝負の投資を進めている。
同社は、2001年初頭より欧州にハイブリッドカー「プリウス」を投入、さらにフランス工場を新規稼動させ、「ヤリス(日本名:ヴィッツ)」を主力車種とし、欧州戦略を強化し、5年後に年間100万台の販売を狙っている。
欧州における「企業アイデンティティ確立」への布石を打ち終えた同社は、いよいよビッグスリーの牙城・米国市場での完璧な地位を得るため、他社の生産調整時期にあえて、生産拠点の増強に踏み切る。
同社は、「プリウス」の実用化ノウハウで燃料電池車においても世界をリードしており、GM、フォード両社がトヨタに接近している。環境技術でブランド力を高め。次世代環境対策車でのトップ企業を目指し、トヨタ自動車の北米戦略は動き出した。強気の設備投資は同社を成長株として評価するポイントであり、中・長期投資銘柄として時価は割安だ。
■URL
・トヨタ自動車
http://www.toyota.co.jp/
【FINANCE Watchから】
●オムロン、ソフトウエアで中国事業本格化(13日)
オムロン(6645)の合弁相手先の中国.上海交通大学は中国で最上級レベルの大学で日本の東大、米国のMITに匹敵する。中国での地盤を更に強固にするため、同合弁企業を中国2部市場へ上場させる。株価が底打ちした同社株は、アジアでのグローバル化戦略が進んでいることが評価され反転の兆し。
■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/03/13/doc2264.htm
[袴田まさお]
2001/3/14
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