【米ナスダック2000割れ~東証、今年最大下げ】
(13日朝刊各紙)
●日米同時株安の様相
12日のNYダウ、ナスダック指数とも先週末の地合いの悪さを引き大幅続落した。NYダウは重要な下値ポイントである1万441ドルを割り込んだため(12日引け値1万208ドル)、4月にかけ下値9600~9300ドルも想定される。一方、ナスダックは重要下値ポイント2050Pを割り込んだため、最悪の想定ポイント1910Pに一気に近付いてしまった(12日引け値1923P)。
米国株の大幅下落から、東京株式市場も下げ幅を拡大しているが、冷静に見ると底打ち最終局面に近付いたようだ。ただ、日経平均株価の最悪の下値ポイントは1万1000円であり、来週後半がそのポイントのように思える。
日米同時株安の一方の責任は、混迷する日本の政治とその「先送り体質」にある。それだけに、マーケットからの厳しい評価を真摯に受け止め、日本経済の構造改革と、証券税制への早期取り組みが、優先されなければならないのだ。
【「公的資金注入」延長論も~自民金融対策本部、2年半ぶり再開】
(13日読売朝刊ほか)
●延長せずに金融システム安定化は果たせない
97、98年の金融システム崩壊に瀕した際、水際で押さえることに機能した自民党の「緊急金融システム安定化対策本部」が2年半ぶりに再開されたことは、現在の事態の悪さを示している。
日本の銀行は今、4つの深刻な問題をかかえている。第1は株の下落による保有株式の評価損失の拡大、第2は時価会計の導入による持ち合い株解消の加速化、第3はペイオフの2002年4月解禁による預金の流失懸念、第4は不良債権の最終処理。これらは4月以降の金融市場に大きな不安を投げかけている。
銀行への公的資金注入を可能とする金融早期健全化法などが、今3月末に廃止されるが、これは絶対に避けるべきで、柳沢金融相の「延長は必要ない」との発言は誤りだ。
そうではなく、銀行経営陣の責任追及を全面に押し出し、10兆円規模の公的資金の再注入することを宣言すべきで、このまま事態を先送りすれば、今の嵐はマーケットを根底から揺るがす。さまざまの抵抗を乗り越えた政治的決断が迫られており、マーケットへのメッセージと時間を最優先とした政策実行が急務だ。
【FINANCE Watchから】
●新生日興ビーンズが始動(12日)
日興ビーンズ証券は投信積立をプランを大幅に増やす。こうした積立型投信は、個人金融資産を株式市場に向かわせる上で有効。同社が力を入れる背景は、東京株式市場が割安水準にきたことと、株式貯蓄に対する優遇策の機運を見越したものであり、要注目。
■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/03/12/doc2250.htm
[袴田まさお]
2001/3/13
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