【ゲノム創薬・IT接近~富士通、三菱化学と提携】
(6日各紙朝刊)
●「ITとバイオの融合」でリードする日本企業
ゲノムビジネスがいよいよ第2ステージに入る。これに密接なつながりを持っているIT関連企業は、日本の医薬品メーカーを支える重要な役割を担っており、日本のバイオインフラを強固にするものだ。
スーパーコンピューターを利用し、遺伝子の解析がなされたように、バイオとITは急速に接近しており、1990年代の「ITと金融の融合」で米国が世界を席巻したが、21世紀の「ITとバイオの融合」では日本の戦略が目立っている。
バイオインフォマティックス(生命情報工学)のターゲットにしているのは、遺伝子機能解析、医薬品に直接つながるタンパク質の構造・機能解析で、これはDNAタンパク質のデータベース、機能解析や構造解析サービス、そして「ゲノム創薬」そのものなど、様々な分野での事業拡大が予測される。
日本の生命科学(バイオテクノロジー)分野でのトップ企業、三菱化学(4010)と、バイオインフォマティックス事業を次世代の核にすることを宣言している富士通(6702)の提携は、「第2次ゲノムビジネス」という金脈市場で日本の国際的地位を高めると同時に、両社の未来戦略に対する評価をも一気に高めるものである。
特に、技術力を生かす経営改革速度を上げている三菱化学の上値余地は大きい。
■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/03/05/doc2185.htm
【富士ゼロックス株、1,800億円で取得~富士写真】
(6日日経朝刊)
●デジタル技術力強化で総合評価トップへ
富士写真フイルム(4901)が富士ゼロックスの持ち株比率を75%にすることで、富士ゼロックスは富士写の連結対象子会社となり、同社のグループ企業価値は飛躍的に高まる。
富士写の狙いは、富士ゼロックスが蓄積したデジタル技術を取り込むことで、オフィス向け情報通信分野への参入と写真事業のデジタル対応を充実することにある。
日欧米でデジタルカメラの需要は急増しており、日本メーカーの世界市場向け出荷台数は2000年度が倍増の1,200万台、2001年度も66%増の2,000万台と見込まれている(電子情報技術産業協会の推計)。
長期的には、デジタルカメラ市場で優位に立つのは、画像の現像が可能なプリンターの供給など、消耗品事業で将来性のある企業。富士写は、月産20万台体制を2倍に増やし、2001年度480万台の出荷を目指す一方で、富士ゼロックスの持つデジタル技術を活用し、プリンター事業で優位な戦略をとれる企業となり、総合評価はトップに躍り出る。
同社株は、1月以降の調整が完了し、反発へ。
■URL
・富士写真フイルム
http://www.fujifilm.co.jp/
・富士ゼロックス
http://www.fujixerox.co.jp/
【FINANCE Watchから】
●iモードの契約が2,000万を突破(5日)
改めて「iモード」の普及の早さを確認した思いだ。インフラ整備の充実は、国際的にも群を抜いており、5月からスタートする次世代携帯電話サービスに向け、「iモード」関連株は再浮上する。
NTTドコモ(9437)、松下通信工業(6781)は反転が近く、マザーズのACCESS(4813)の上値余地は十分にある。
■URL
・記事
http://k-tai.impress.co.jp/news/2001/03/05/im20m.htm
[袴田まさお]
2001/3/6
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