【日本テレコム、英社傘下に~外資と提携加速必至】
(28日読売など朝刊各紙)
世界最大の携帯電話会社、英ボーダフォンは27日、米AT&Tが保有する日本テレコム(9434)株10%を13億5,000万ドル(約1,570億円)で追加取得すると発表した。ボーダフォンの株式保有比率はこれで計25%となり、筆頭株主に躍り出る。
●英社の後ろ盾で日本テレコム株上昇へ
ボーダフォンの狙いは、日本テレコムが54%出資しているJ-フォンへの発言力強化にあり、次世代携帯電話サービスが世界に先駆けて今年から始まる日本への進出拠点を得ることだ。
NTTドコモ(9437)などNTTグループに対抗して世界第2位の日本市場を開拓するとともに、日本を次世代携帯事業の実験場としてそのノウハウを蓄積することだ。
ボーダフォンは27日、中国携帯電話最大手の中国移動との提携も同時に発表。アジアの最大拠点2カ所にくさびを打ち込むことで、世界の主要携帯電話市場をほぼ完全に押さえることになる。日本テレコムは、このボーダフォングループの傘下に入ることで次世代携帯電話事業での支援が期待でき、同社株の価値は一気に高まる。
ボーダフォンの取得価格は、1株245万円。27日の終値(180万円)より65万円高く、将来はボーダフォンが日本テレコム株の保有比率を50%以上に引き上げるとの積極発言もあり、同社株は急騰局面を見よう。
■URL
・日本テレコム
http://www.japan-telecom.co.jp/
・J-フォンを獲れ!英国勢2社の“オセロゲーム”~日本テレコムグループ経営陣に更迭の危機
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/02/08/doc1935.htm
【技術系の採用、来春拡大~大手企業、IT分野強化】
(28日日経朝刊)
大手企業が来春の新卒採用を拡大。電機・情報大手がIT事業などの開発要員を増やすほか、採用を抑制してきた鉄鋼もリストラなどにメドをつけ、積極姿勢に転じる。
●NKKの「変革」に注目
ここで注目したいのは、大卒採用を倍増するNKK(5404)と川崎製鉄(5403)。NKKの経営改革と事業戦略に向けた動きは急で、来春の採用倍増もこの変化に向けた対応だ。本社ビルの売却による有利子負債圧縮・連結剰余金黒字化や、川崎製鉄との提携、ナノテク分野での積極的な取り組みなど、同社の変革のスピードには目を見張るものがある。
同社の採用拡大は、企業改革推進のメッセージであり、中長期的に見て同社株の位置を大きく変える。ここ短期的に急騰しているものの、次のステップとして100円台固め、新しい上昇相場展開に入ると見ている。
■URL
・NKK
http://www.nkk.co.jp/
【FINANCE Watchから】
●日本ユニシス、地銀4行から有価証券システムのアウトソーシング(27日)
日本ユニシス(8056)は、群馬銀行(8334)、常陽銀行(8333)、八十二銀行(8359)、山梨中央銀行(8360)の4行から有価証券システムの共同アウトソーシングを受注した。日本ユニシスは4行のシステムの仕様を共通化し、2001年末までに順次サービスを始める計画。
日本ユニシスは、地銀など地域金融機関向け大型コンピューター需要の停滞で収益が悪化し、株価は昨年来安値を更新している。しかし、地銀向けの新たな事業の推進と電子政府への取り組みの中で、企業が官公庁に提出する各種申請書類をネットで受け付ける電子申請システムを開発。同社の新事業展開が見え始め、株価の底入れから反転は近い。
■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/02/27/doc2122.htm
・ニュースリリース
http://www.unisys.co.jp/news/NR_010227_outsourcing.html
[袴田まさお]
2001/2/28
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