【富士車輌が民事再生法適用を申請】
(24日毎日朝刊ほか)
3月期決算が近づくにつれ経営破たんする企業が増えそうである。先に「シーガイア」を運営するフェニックス・リゾートが累積欠損金1,200億円強を抱えて会社更生法適用を申請したが、上場会社にもそれが及び始めた。
●株価から見れば意外
富士車輌は、2000年10月に経営再建計画をまとめたばかりで、それを好感して株価は100~120円あたりをつけていた。2000年3月期決算時点では、営業赤字が嫌気されて2~4月に81円というバブル崩壊後の安値を付けてもいる。このことからすれば、むしろ株価は堅調ともいえるわけで、最近でも90~100円のもみ合いに推移していた。
それだけに、少なくとも株価からみる限り、経営破たんは突然のことといえよう。同社のメインバンクは三和銀行(8320)だが、東海銀行(8321)との統合を控えていることで、フェニックス・リゾートのメインバンクである第一勧業銀行同様、不振企業への融資姿勢を変えたのかもしれない。折しも金融庁は金融機関の不良債権には厳しい処理を促すことにしている。今後、第2、第3の富士車輌が顕在化することが懸念される。
【村田製作所、設備投資減額へ】
(24日日経朝刊)
村田製作所(6981)は、2001年度の連結設備投資を今期実績見込みより300億円少ない700億円に減額する。石橋を叩いて渡ると言われる同社の設備投資減額は、まさに欧米のハイテク景気の減速が深刻化しつつあることの象徴といえる。
●携帯電話メーカーに連動
同社は携帯電話やパソコン向けのセラミックコンデンサーの業界最大手。携帯電話メーカー国内トップの松下通信工業(6781)が既に今期業績を当初見込みから下方修正したばかりだが、海外でも米モトローラが2000年10~12月期決算で41%の実質減益、2001年1~3月期の営業損益では赤字転落する可能性があることを発表した。
携帯電話向けに売り上げの34%を依存する同社にとって影響は深刻である。国内景気をけん引してきたのは同社のような設備投資だけに今後の景気の行方が懸念される。
同社の株価は、1999年12月を高値にこれまで60%も下落しているが、まだまだ立ち直りには相当の時間が必要かもしれない。週明けの同社株は先週末比6.4%も急落している。
■URL
・村田製作所
http://www.murata.co.jp/
【FINANCE Watchから】
●東芝と松下がシンガポールに液晶の大型工場~1,230億円を投資 (23日)
大型投資の負担軽減、大規模投資によるコスト削減、国際競争力向上が目的。当該商品の事業強化は次世代携帯電話など将来の成長製品に不可欠だけに、電子部品立国を目指すわが国にとって避けて通れない。両社とも株価は調整中だが潜在的な好材料としては注目しておきたい。
■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/02/23/doc2101.htm
・東芝
http://www.toshiba.co.jp/
・松下電器産業
http://www.panasonic.co.jp/
[内藤新二]
2001/2/26
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