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月内の景気対策に妙案は?

【与党3党月内に景気対策~株価・土地流動化策が柱】
(18日日経朝刊)
 与党3党は、月内に株価対策、土地流動化推進を中心とした新しい景気対策を取りまとめることを決めた。

●常識を捨てる必要
 今回のG7(7カ国財務相・中央銀行総裁会議)で指摘されているように、わが国の物価下落と景気の下振れ懸念、つまりデフレ懸念が強まっている。

 ところが、これまで財政で100兆円超を注ぎ込んでも景気は本格的に回復しなかった。それはフローを重視するあまりストックの価格下落に配慮しなかったからにほかならない。ここへきて政府は、景気が回復しない元凶が金融機関の不良債権処理が進まないことにようやく気がついたようだ。

 不良債権がいまだに減少しないのは株価、土地価格の下落が続いているからである。そこで標題のような対策に踏み切ることになったといえる。もっとも、ストック価格回復に妙策はなさそうだ。しかし、G7声明が要求するように金融の量的緩和を含め、常識を捨てて何でもありの姿勢で臨むことが肝要と思われる。

 時間的に猶予はない。第1の関門は金融機関の決算月である3月。続いて時価会計が導入される9月が第2の関門といえる。週明けの株価は、むしろ米国株安を受け小幅安となっている。

【つばさ証券、最大20店舗閉鎖へ】 (17日朝日朝刊)
 証券準大手のつばさ証券(8621)は、店舗閉鎖、人員削減などリストラ策強化を明らかにした。

●証券の第2次再編迫る?
 同社は2000年4月にユニバーサル証券、太平洋証券など中堅証券が合併して設立された三和銀行系のリテール中心の証券会社。今回、合併に伴う支店網の整理に、ここへきての株式市況の低迷がリストラ見直しにつながったものだ。

 1999年10月の手数料自由化に加え、市況悪化から証券会社の統廃合などによる業界再編が進んだ。その後景気の回復、IT革命への期待から市況が回復、証券会社の経営も息を吹き返したかにみえた。

 しかし、昨年以降の市況悪化に伴う委託手数料の減少で、昨年秋からリテール中心の中小証券会社の収益は再び赤字に転落している。このままいくと、1998年に続く、第2次ともいえる業界再編が迫っているといえよう。同社のリストラ策強化がきっかけとなる可能性が大きい。市場では、業界再編、企業リストラを歓迎する潮流が続いている。

 週明けの同社株は、思い切ったリストラ策を好感して、全般安のなか小幅高を見せている。リストラ効果を見極めるまで同社株への投資は静観か。

■URL
・つばさ証券
http://www.tsubasa-sec.co.jp/

【FINANCE Watchから】
●トヨタ、過去最大の自社株消却を実施~取得総額は2,145億円に(16日)
 トヨタ自動車(7203)は16日、消却のための自社株取得を実施したと発表した。消却株数は5,338万1,100株で、取得総額は約2,145億9,200万円。

 今回の自社株買い入れ消却の実施は、持ち合い解消売りの吸収の受け皿としての意味合いが大きく、株価への影響は限定的。それでも買い安心感を強めたことは事実。財界総本山ともいうべき同社の自社株消却で、第2、第3のトヨタ自動車が現れよう。同社の株価はジリ高か。

■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/02/16/doc2022.htm
・トヨタ自動車
http://www.toyota.co.jp/

[内藤新二]
2001/2/19
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