【自社株買い、半数が検討~主要221社調査】
(15日日経朝刊)
日経が主要上場企業300社の社長を対象に自社株買いに関する調査を実施したところ、回答した221社の半数が自社株買いを検討、「資本効率を重視する企業が増え、自社株買いへの意欲が高まっていることが浮き彫りになった」(1面)。
●高まる株価意識
政府による株価対策が、マーケットの期待通り進んでいないのに比べ、企業経営者の株価意識が急速に高まっていることを示したもので、株式市場では大いに好感できる。
自社株買いは、株式数の減少により1株当たりの株式の価値を高めるため、資本効率を重視する企業の多くは、自社株買いへの意欲を高めている。トヨタ自動車(7203)や松下電工(6991)の株価が、自社株買い実施公表で大幅に上昇したことが、こうした自社株買いへの気運を高めている。
自社株買いは、ストック・マーケットでの株式数が減ることであり、1990年代の米株式市場の株価上昇の背景の1つである。それ故、日本でも自社株買いが定着することで、これまでの(株式持ち合いによる)いびつな株価形成を正常化させ、株価を重視する企業が増えることで、市場活性化への大きなインパクトになる。
株価が低迷している今こそ、自社株買いの好機であり、トヨタと松下電工の株価には再度要注目だ。
■URL
・トヨタ自動車
http://www.toyota.co.jp/
・松下電工
http://www.mew.co.jp/
【米利下げ、3月説軸に~エコノミストのシナリオ】
(15日日経朝刊)
米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン議長が13日の議会証言で追加利下げに踏み切る考えを示唆(14日各紙朝刊)。日経によれば、次の利下げのタイミングについて、エコノミストは「3月説」との見方で一致している(9面)。
●ナスダック市場の底打ちが見えてきた
急速に広がる日本経済のデフレ懸念に立ちすくみ、政策が一定しない日銀とは正反対に、グリーンスパン議長の金融政策は断然光っている。
同議長の積極的な金融緩和への動きは、米国経済への厳しい景気判断に裏づけられたもので、議会証言では「全般的な一律減税が経済を活性化させるには最良」とも言及、減税の必要性も主張している。
国民や議会で高い信認を得ているグリーンスパン議長が減税支持の姿勢を鮮明にしたことは、この1月の2度にわたる計1.0%の利下げ効果をさらに高めるための周到な読みである。この“グリーンスパン・マジック”が奏功し、足元の経済環境がゼロ成長に近いものの、年後半の景気情勢が大きく好転するとの期待が株式市場に徐々に浸透している。
米国の早期再利下げは、ハイテク産業への資金流入を狙ったもので、ナスダック市場の底打ちが見えてきた。同市場の上昇方向が定まれば、1月に急増した日本株への外人買いは継続する。
日本市場にとって米利下げの早期実施は、最大の関心事となっている。
【FINANCE Watchから】
●世界最大級のPDP量産工場が完成~富士通日立プラズマ(14日)
富士通(6702)と日立製作所(6501)の共同出資による「富士通日立プラズマディスプレイ」のプラズマディスプレイパネル(PDP)製造工場(宮崎県国富町)が完成、4月から量産体制に入る。既にある工場と合わせると月産能力は7万台に上り、世界でも最大規模のPDP生産拠点が完成する。
PDPは、大画面、薄型、軽量などの特徴を持つ高品位型映像再生ディスプレイ。デジタル放送が本格化する2003年にはTV用140万台、業務用90万台(いずれも国内市場)の需要が見込まれている。
中核企業は富士通。下値圏にとどいた後だけに、同社株には要注目。
■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/02/14/doc1985.htm
・富士通
http://www.fujitsu.co.jp/
[袴田まさお]
2001/2/15
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