【セガ、アーキテクチャーライセンス戦略でまず英社と提携 】
(30日FINANCE Watch)
セガ(7964)は、英PACE Micro Technologyとセットトップボックス(STB)の開発で提携。セガは「ドリームキャスト(DC)」のハード生産から撤退し、そのアーキテクチャーのライセンス戦略を進める。
●再生への道程が見えてきた
DC事業からの撤退を決めたセガの株価は22日から4日連続のストップ高をつけ、その後一服している。ハードにさえこだわらなければ、DC用開発費用・時間などの経営資源を“ゲーム開発”に向けられ、爆発的なヒットを輩出するとの期待が投資家に浸透したからだ。
しかし同社は、単純にDCのハードから撤退するわけではない。DCの最大の特長であるネットワーク機能を活かした技術を、ゲーム市場にとどまらず、さらなる大きな市場にアーキテクチャー・ライセンス事業として拡張することを狙ったのがPACE社との提携の意味だ。
ブロードバンドを含む一般家庭へのネットワーク普及が目前に迫っている現在、セガがこれまであったゲーム機依存のビジネスの枠を越え、DCアーキテクチャーを活用し、ネットワークを軸にしたコンテンツ供給と新たなネットワークビジネス創設への道を選んだことは、「破壊的創造への経営改革」であり、同社再生の道程が見えてきた。同社株の上昇は一過性ではなく、継続する。
■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/01/30/doc1825.htm
・ニュースリリース
http://www.sega.co.jp/sega/corp/news/nr010129_1.html
【トータルASP事業開始へ~富士通BSC 】
(30日FINANCE Watch)
富士通ビーエスシー(4793、富士通BSC)は、コンサルティングからシステム構築も含めたASP(アプリケーションサービスプロバイダー)事業に参入。「トータルサービスASP」として3年後30億円の売り上げを目指す。
●ストックサービスが新たな柱に
富士通BSCは1963年に設立された通信系SIベンダーで、75年に富士通(6702)が資本参加した。ソフトウェア開発76%、ソフトウェアサービス20%、パッケージ販売・システム機器販売4%の売上構成だが、今回、これらをトータルで提供するソリューション事業を積極的に展開することにした。
同社の得意分野は通信・放送向けで、全体の45%を占める。他方、高い技術力を持った技術者の大量動員を可能とし、中央官庁をはじめとする大規模システム開発力を蓄え、ユーザーからの評価は高い。
同社は、拡大が予測される電気通信分野ソフトウェア開発の一層の強化を図り、一方でインターネットをベースに、システム開発で培った通信関連のコア技術を応用し作成したコアパッケージと関連したソリューションで新しいユーザーを囲い込み、成長する情報サービス業で勝ち組企業を狙う。
昨年10月4日に店頭公開した同社株は、10月6日の最高値(1万400円)から、今年1月11日に安値2,610円をつけ、戻り歩調にある。ストックサービスが新たな柱になることで高収益・安定成長の方向が見え、株価の下値は固まってくる。
■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/01/30/doc1826.htm
・富士通ビーエスシー
http://www.bsc.co.jp/
[袴田まさお]
2001/1/31
|