【大日本印刷、デジタル画像貸し出し事業を大幅拡大へ 】
(29日FINANCE Watch)
大日本印刷(7912)は、コンテンツビジネスを行う関連会社DNPアーカイブ・コムに「アート著作権関連業務部門」を新設。デジタル画像を貸し出すイメージライセンス事業を拡大、画像を単純に貸し出すだけでなく著作権許諾処理を含むコンサルテーション事業も同時に行う。
音楽や放送の著作権管理を代行するビジネスはあるが、美術コンテンツに特化した代行サービスは大日本印刷が初めて。同社は、1,000点に及ぶ西洋の美術品をデジタル化しているほか、4万点近い日本美術のデータをデジタル化している。こうしたコンテンツを求めるニーズに対応し、著作権団体や作者本人と交渉し、デジタル画像やフィルムとして貸し出す。
インターネットやデジタル放送の広がりに伴い、美術コンテンツの使用は大幅に増えることが予測されている。情報流通の真っただ中にいる同社は、市場のニーズに対応した次世代の製品開発やサービスなど新事業創出に力を入れている。
今回の新サービスは、大日本印刷の持つ豊富な資産と技術を、紙媒体以外のネット総合サービスの活用に向けたもので、印刷からデジタル画像という時代変化への対応を示すものだ。
2001年に125周年を迎える同社の情報化戦略の方向性を示したものとして、目先の株価材料としてより、長期的な企業価値を高めるニュースだ。
■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/01/29/doc1808.htm
・大日本印刷
http://www.dnp.co.jp/index_j.html
・DNPアーカイブ・コム
http://www.dnparchives.com/
【自社株700億円消却~松下電工、3年内に5,000万株】
(30日日経朝刊)
松下電工(6991)は、今後3年内に発行済み株式数の7%に相当する約5,000万株の自社株を買い入れ償却する方針を固めた。発行済み株式に対する同社の消却株数の比率は約18%となり、上場企業でトップクラス。きょう発表する経営計画に盛り込む。(1面)
松下電工は、21世紀を迎え、建築の質的向上の需要を掘り起こし、既にあるストックに手を加え顧客満足度につなげることを重視した「SRS(ストック・イノベート・ソリューション)」ビジネスを打ち出した。売ったら終わりではなく、最後まで顧客の面倒をみます―との表明だ。
同社は、この顧客に提供する価値を高めることを経営の軸とし、これに事業の資産価値と将来価値、そして株主価値の3つをすべて高めることを目標とした「価値創造型経営」を標榜し、複数の目標を同時に達成することを狙っている。
「トヨタ効果」に見られるように、実際に自社株買いを決断すれば、単に持ち合い対策だけでなく、資金効率と株主価値向上に敏感な企業への投資家の期待は強く、株価へのインパクトは大きい。「価値創造型経営」の実現に向け、自社株買いを決断したことで、同社の株価水準は一気に高められるだろう。
■URL
・松下電工
http://www.mew.co.jp/
[袴田まさお]
2001/1/30
|