【ソフトバンクがストップ高~シスコへ割当増資、ゲノム進出を好感】
(25日FINANCE Watch)
ソフトバンク(9984)は、ネットワーク機器世界最大手の米国シスコシステムズに対して第三者割り当て増資を行うことを発表した。株数は556万株強、1株当たり4,197円、総額2億ドル(約233億円)。この結果シスコの持ち株比率は1.6%となる。増資資金はブロードバンド、通信分野に投融資するという。
シスコの株価は、このニュースをうけて下落したが、同社株は大量の買い物を集めて急伸した。同社にとってシスコと資本提携することは、企業基盤の安定に寄与し、同時に信用度の向上という観点からすれば、まさにお墨付きを得たようなもの。折しも同社の株価は、全般市況が安値をつけた1月11日に同時に安値をつけ、その後同じように上昇をみせていたが、ここへきて全般市況が政府の株価対策論議のトーンダウンにつれて反落するなか、それに逆行する格好で上昇していた。
それだけにこのニュースは、株価上昇を加速する役割を果たした。同社株は、ここ1~2年上昇しても下落しても市場の人気株となってきた。したがってこの材料は当分の間効果は持続しよう。もっとも、シスコへの割り当て価格からすれば、現在株価(1月25日終値)ははしゃぎすぎの感がする。新規投資は慎重姿勢で臨むべきと思われる。
■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/01/25/doc1785.htm
・ソフトバンク
http://www.softbank.co.jp/
・シスコシステムズ
http://www.cisco.com/
【丸紅、マルエツの筆頭株主に】
(25日日経朝刊)
丸紅(8002)は、ダイエー(8263)と同社傘下の大手食品スーパー、マルエツ(8178)の株式取得で両社と交渉中と発表した。ダイエーの発行済み株式数の約5%を、またマルエツの同約10%を取得する方向という。この結果、マルエツ株については同社は約20%保有となり筆頭株主になる。
ここ大手商社は小売り業界に相次いで積極的に進出している。三菱商事(8058)はローソン(2651)を、伊藤忠商事(8001)はファミリーマート(8028)を傘下に入れている。
商社が小売り業界に進出する背景は、ここ数年のリストラや子会社の株式市場への公開、上場に伴う株式売却益で、バブルの清算が進み、新たな成長分野に打って出る余裕が生じたためとみられる。もっとも、小売り業界が、今後真に成長分野であるのかどうかは未知数である。三菱商事はローソン株に1,700億円を、伊藤忠はファミリーマート株に1,350億円を投下しているが、昨年末の株価下落で、それぞれ700億円、600億円の株式含み損を抱えている。小売り業界がIT革命進展、景気不振で価格下落、消費低迷で苦戦しているなか、商社の小売り業界進出の成否が問われよう。市場は、このニュースにほとんど反応せず、静観の構えだ。
■URL
・丸紅
http://www.marubeni.co.jp/
・ダイエー
http://www.daiei.co.jp/
[内藤新二]
2001/1/26
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