【日本航空、日本IBMとIT戦略で提携~広範なアウトソーシングも】
(18日FINANCE Watch)
日本航空(JAL)(9201)は、日本IBMとIT戦略について提携することで合意した。JALは、システムの開発や運用などをIBMにアウトソーシングし、さらにこれを軸に協業化することを進める。
いうまでもなく、IT革命が進展するなかで、モノづくりを誇るわが国では、まずIT関連機器供給企業が脚光を浴び、ITインフラが整備されつつある。しかし、今後はITを活用した生産性を向上し、収益を拡大するような企業が注目されるようになろう。また、そうした企業が増加しなければ、わが国のIT革命の成功はありえないのである。
その意味で、同社がIBMと提携し、IT戦略を推進していくことは企業の長期戦略として正しく、また市場もいずれ評価するとみられる。もっとも個人客比率の上昇、優待券廃止など営業戦略の見直しで同社の業績は今3月期過去最高益を更新する見通しにあるなど絶好調である。市場では、この好業績を材料に株価は昨年9月以降急上昇をみせている。
それだけに、日本IBMとの提携のニュースは、中長期的には好材料とみられるものの、好業績という株価を左右する基本的要因の前ではやや消されがちである。
■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/01/18/doc1706.htm
・日本航空
http://www.jal.co.jp/
・日本IBM
http://www.ibm.co.jp/
【遺伝子増幅技術で提携~富士通と栄研化学】
(18日FINANCE Watch)
栄研化学(4549)は、遺伝子増幅技術分野で富士通(6702)と提携した。同社が開発したDNA(デオキシリボ核酸)を増やす技術LAMP法と富士通の専用ソフトウェアを組み合わせて効率的に運用できるようにするというもの。
遺伝子増幅技術は遺伝子の診断や研究に不可欠であり、ゲノム市場に今後新製品を投入する計画という。
同社にとって、富士通の持つ遺伝子解析やゲノム創薬などでのITを活用できることは、同社が今後、生命情報工学事業を拡大させるにあたってきわめて有利になることは明らかである。
もともと、同社は生化学検査、免疫血清検査などでの各分野で検査薬を開発しているが、その延長線上でバイオ事業に着手。既に三菱化学(4010)、富士レビオ(4544)などと遺伝子チップ、データ解析の会社を設立しており、バイオ事業への本格的進出を目論んでいる。
したがって富士通との提携は、その一環である。このニュースで株価は急反発した。今後、株式市場で再びバイオ人気が高まれば、さらに株価は上昇する公算が大きい。ただ、業績は横這い見通しにあり慎重な投資スタンスが望まれる。
■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/01/18/doc1705.htm
・栄研化学
http://www.eiken.co.jp/
・富士通
http://www.fujitsu.co.jp/
[内藤新二]
2001/1/19
|