【松下、3カ年で1,400億円のIT投資~4月に松下電子を吸収合併】
(10日FINANCE Watch)
松下電器産業(6752)が2001年度の経営方針を発表。半導体などを生産する
松下電子工業を吸収合併し、成長の原動力を完成品から電子部品事業に移し、
今後の経営戦略を展開する。
同社は昨年秋に策定した3カ年の「創生21計画」で、21世紀の松下を“破壊と
創造”と位置づけており、この中の目玉が電子部品事業の強化だ。
同社は、DVD販売で既に世界シェアの30%を占め、デジタルTVのチューナーも
国内市場の50%のシェアを押さえるなど、デジタル家電、ITへの重点投資が成
果をあげている。テレビとモバイルの端末が核となるデジタルネットワーク時
代の到来で、この両方でリーダーシップをとることが狙いだ。
「デジタルTV」と「モバイル・コミュニケーション」を戦略の柱とし、この
両事業を支える半導体(システムLSI)、蓄積デバイス、ディスプレイ・デバイ
スなどデジタル・ネットワーク分野の基幹デバイスを内製化。バリュー・
チェーン(価値の連鎖)で付加価値を取り込む戦略を明確にしたことで、同社
株に対する評価は一気に高まり、松下は21世紀においても主役であり続けるだ
ろう。
■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/01/10/doc1616.htm
・松下電器産業
http://www.panasonic.co.jp/
【2001年のアジア経済は堅調~NRIが1部上場企業対象に調査 】
(10日FINANCE Watch)
野村総合研究所(NRI)の「日本企業の国際事業展開に関する調査」による
と、2001年のアジア経済は総じて堅調との見方が多く、アジアにおける日本の
現地企業の業績回復感が高まっているという。
2001年の日本の株式市場を予測する上で、米新政権への移行前に緊急の金融
緩和策が打たれたことは、米国がソフトランディングに成功し、景気失速懸念
は杞憂に終わるとみられ、外部での影響因子はアジア経済の動向となる。
危機を脱したアジア経済の自律回復は、今の東京株式市場のもう1つの不安要
因を払拭するもので、アジア地域の潜在成長力を評価する動きが出始めてく
る。
耐久消費財やハイテク分野などが、アジア域内での需要増加が見込め、ハイ
テク産業のアジア現地企業の業績回復の定着化で、日本企業の連結業績は上方
修正される。
アジア経済の回復は、日本経済にとって90年代後半の調整から完全に脱出
し、新しいトレンドに向かう転換期を早める好材料であり、マーケットは徐々
に織り込み始めるだろう。
■URL
・記事
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/01/10/doc1609.htm
・野村総合研究所
http://www.nri.co.jp/
・「日本企業の国際事業展開に関する調査」
http://www.nri.co.jp/news/2001/010110-1.html
[袴田まさお]
2001/1/11
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