FINANCE Watch
クウェートとの権益延長に全力~アラ石総会で社長が強調

  サウジアラビアでの石油採掘権が失効、クウェートとの権益契約延長に一縷の望みをつなぐアラビア石油(1603)の株主総会が29日午前10時から、東京・千代田区の東京會舘で開かれ、105人の株主が出席した。

  議長を務めた小長啓一社長は、2003年1月に期限が迫ったクウェートとの権益契約延長交渉について、原油生産量(日量約27万バレル)の大幅増産や未開発ガス田の開発着手など、「採掘コストの低減やクウェート人の雇用拡大を目指した提案」をクェート側に提示したことを明らかにするとともに、交渉妥結に全力をあげる考えを強調した。

  また同社長は、昨年末に同社株が急騰する要因となったイランのアザデガン油田開発プロジェクトへの参加問題について、「一般論」と断った上で、「経営資源の多角化を目指して努力することは(クウェートなど)関係政府の理解を得られると思う」と発言。クウェートとの交渉の進捗状況やプロジェクトの有効性などを総合的に検討した上で参加の是非を判断したいとの考えを示した。

  総会は1時間6分で終了。5人の一般株主が質問に立ったが、サウジの権益失効に伴う経営責任問題で紛糾した昨年の総会とはうって変わって、波乱のない静かな総会となった。


(舩橋桂馬)
2001/03/29 18:56