ソニー（6758）は29日、出井伸之会長と安藤国威社長が都内のホテルで会見し、グループ本社機能の新設など、2001年度の経営方針を発表した。この中で、出井会長は来年度を、2005年頃に実現する本格的ブロードバンド・ネットワーク社会をにらみ、個々の顧客との結びつきを深める「パーソナル・ブロードバンド・ネットワーク・ソリューション・カンパニー」に変革を図る初年度と位置付けた。

　 このための経営指針として、出井会長は（1）統合と超分極の経営（2）スピードとユニークさを追求する経営―を掲げ、4月1日付で本社機能を再編する方針などを明らかにした。

　 現行では、中核事業であるエレクトロニクス部門が本社機能を内包しているが、これを3機能に再編する。目玉として、グループの連携や経営戦略策定に特化する本社機能「グローバル・ハブ」を新設。また、エレクトロニクス部門の本社機能は「エレクトロニクスHQ」に改める。さらに、経理、人事、総務、広報などグループのスタッフ部門を集約した本社機能として「経営プラットフォーム」も新設する。

　 会見で出井会長は、2000年度のソニーグループの企業価値増大の成果について、「アイワ（6761）の経営悪化など打つ手が遅れたこともあるが、全体としていい方に舵が取れた」と評価した。