森尾稔氏

　 沖電気工業（6703）は、4月から新しく設ける社外取締役にソニー（6758）副会長の森尾稔氏が就任する人事を内定した。沖電気のコーポレートガバナンス（企業統治）強化が最大の目的で、同時に社外委員3人を含めた“経営諮問委員会”と“報酬委員会”を4月1日付で発足させ、経営の透明性や客観性のアップに努めることを決めた。

　 コーポレートガバナンスの強化は、企業内部の価値観と社会のそれとに格差が生じていないかどうかを検証することが最大の目的。客観的で幅広い助言を得るために森尾氏を招くことにした。

　 森尾氏は1963年に東大工学部を卒業後、ソニーに入社。1990年専務、93年副社長などを歴任し、コンシューマ市場における幅広い知識やグローバルな企業経営の経験などから就任が内定した。1939年生まれ、61歳。

　 また、経営課題を社外の有識者から審議してもらうことを目的に経営諮問委員会を設置。高木勝・明大学経済学部教授と須藤修・東大大学院情報学環教授の2人も加わる予定。

　 さらに報酬委員会は、取締役や執行役員の報酬体系を業績に連動させる仕組みを作り上げる計画から発足するもので、沖電気の社長や人事担当役員などで構成する。