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インスパイアの投資事業組合、第1号案件は日成ビルド

日成ビルド 森岡篤弘社長(左)
インスパイア 成毛眞社長(右)
  企業投資やコンサルティング業務を手がけるインスパイアは22日、同社と住銀インベストメントが運営する「ジャパンストラテジックIT1号投資事業組合」の第1号案件としてプレハブ建築や立体駐車場の設計、製造、販売を手がける日成ビルド(1916)が4月に実施する第3者割当増資を引き受けると発表した。

  第3者割当増資に伴う新株発行は、1株あたり98円(昨年12月22日から今年3月21日までの東証における普通株の終値平均)で300万株、総額2億9,400万円となり、そのすべてを同事業組合が引き受ける。増資後の同組合の出資比率は5.19%で第2位の株主となる。

  インスパイアは、マイクロソフト元社長の成毛眞氏が2000年4月に設立、成毛氏が社長を務めている。同年8月には住友インベストメントなど共同出資企業10社とともに従来型公開企業を対象とした総額62億円の投資事業組合「ジャパンストラテジックIT1号」を組成した。この投資事業組合は、ベンチャーキャピタルとは若干異なり、対象企業の業務改革やIT化に伴うコンサルティングを行い、その企業の価値を高めることで中長期のキャピタルゲインを狙う。

  森岡篤弘 日成ビルド社長は「建設業界の長期低迷や需要の伸び悩みなど厳しい環境下、カラオケ事業など不採算部門からの撤退や社内体制の再構築を進め2002年3月をゴールとした中期経営計画も策定したが、いわゆる“ご用聞き営業”など旧来からの体質がなかなか抜けきれない。そこで、今回の増資を通じてアドバイスを仰ぎ、IT化を促進させながら売上高の増大、原価の低減を押し進めていきたい」と述べ、新中期計画の策定もはじめた。

  一方、成毛氏は「あくまでも今回の出資は協力関係を築くための手段。食品や水産加工など上場企業約40社から同組合に対して引き合いがあるものの、日成ビルドが最初の案件になったのはすでに経営改善に向けて着々と動き出している点を評価したため」と増資引受の背景を述べ、「当組合員企業が協力し、日成ビルドに対して部材費・外注費などの原価削減、生産工程・物流の改善、営業拡大、新規事業の開拓を図っていき、業績の進展につなげていく」と支援への意気込みを述べた。

  投資事業組合の最終的な狙いはキャピタルゲインだが、今回の案件の場合は発行日から2年間は基本的に保有株式を譲渡しないことになっている。

■URL
・日成ビルド工業
http://www.nisseibuild.co.jp/
・ニュースリリース
http://www.inspirecorp.co.jp/press/news/nb.html
・インスパイア
http://www.inspirecorp.co.jp/
・成毛氏のインスパイア、COOにbeenz.com Japan前社長の石黒氏起用
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/02/21/doc2065.htm

(別井貴志)
2001/03/22 18:56