日本銀行は19日の政策委員会・金融政策決定会合で金融の「量的緩和」による事実上のゼロ金利復帰など、政策変更を賛成多数で決めた。今回の緩和政策は、現在マイナスとなっている消費者物価指数（全国）の前年比上昇率が安定的にゼロ％となるまで継続する方針で、“インフレ目標”も念頭に置いた前例のない措置となる。また、量的緩和の一環として必要に応じ、長期国債の買い入れを増額することも決めた。ゼロ金利の復帰は昨年8月以来、7カ月ぶりとなる。日銀は、潤沢な資金供給により、デフレの進行に歯止めをかける狙いだ。

　 量的緩和の手段として、日銀は金融調節の操作目標を、これまでの無担保コールレート（オーバーナイト金利）から、日銀の当座預金残高に変更する。具体的には、同残高を現在の4兆円から5兆円程度に引き上げる。今後の政策決定会合では、この資金量（当座預金残高）の目標を決めることが、金融調節そのものになる。

　 これにより、無担保コールは現在の誘導目標である年0.15％から大きく低下して実質ゼロに誘導されることになる。コールレートの変動はあるものの、「補完貸付制度（ロンバート型貸付）」により、公定歩合（現行年0.25％）がコールの上限金利として作用することになる。