TDK(6762)は2日、導電性の接着剤対応を実現したニッケル電極積層セラミックチップコンデンサーを3月末までに発売する、と発表した。貴金属ではない卑金属としては世界でも初めてのもので、誘電体材料としてのファインセラミックを開発し高静電容量のニッケル電極の製品化に成功した。
通常、積層セラミックチップコンデンサーの内部電極は、パラジウムなどの貴金属からニッケルなどの卑金属への置き換えが必要で、TDKでは誘電体材料にファインセラミックを開発し、高静電容量のニッケル電極製品を実現した。
例えば自動車関連分野では、基板に実装する際、従来のはんだに代わって、熱衝撃と振動に強い導電性接着剤が使用するケースが多い。導電性接着剤で実装する場合、問題となるのが端子電極との固着強度の低下、接触抵抗の増大。従来の卑金属タイプの端子電極は、スズやはんだをメッキしたもので、これらは導電性接着剤で実装したときは電極表面の酸化により固着強度の低下と接触抵抗の増大が起こると考えられている。
そこで今回開発したのが、端子電極に銀とパラジウムを採用した、導電性接着剤対応卑金属タイプの積層セラミックチップコンデンサー。電極表面の酸化が起こりにくく基板との密着度にすぐれ安定した固着強度を確保した。さらに接触抵抗の変動を抑え、基板実装における信頼性を高めた。
価格は未定。C1608など計6形状がある。
■URL
・ニュースリリース
http://www.tdk.co.jp/tjaah01/aah22300.htm
・TDK、中国に積層チップコンデンサー製造法人設立
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/01/25/doc1783.htm
(市川徹)
2001/03/02
15:36
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