ブライアン ケイ SGグループ在日代表	塗師 省三 在日代表（後任）
吉川 英一 NEC専務取締役	ギイ ダルブラン SGオンライン支店長

　 フランス大手商業・投資銀行のソシエテ ジェネラル（SG）証券のオンライン証券「SGオンライン支店」は21日、都内でサービス概要の説明会を開いた。

　 SGオンライン証券は、2月15日から本格的にサービスを開始、日本での欧州系オンライン証券としては2番目となった。昨年3月にNEC（6701）と提携してスタート、同年秋にはサービスを開始する予定だったが「オンライン証券の競争が激化していることもあり、当初予定していたサービスイン時の機能を大幅に拡大させた」（ギイ・ダルブラン・SGオンライン支店長・在日副総支配人）ことから、今年までズレ込んだ。サービス開始からまだ1週間足らずだが、口座開設希望の申し込みはすでに1万1,000件という。

●日本でのリテール進出に自信
　 説明会では、まずソシエテ ジェネラルグループのブライアン・ケイ在日代表（4月に離日予定）が「日本に本格進出して25年になり、バーチャルというかたちでリテール分野に進出を決めた。欧米ですでに成功しているわれわれのリテールビジネスを日本市場にも提供していきたい」と挨拶した。仏では600万人のリテール顧客をもち、そのうち40万人がネットを活用。昨年1年間のアクセス数は7,000万件で、そのうち600万件の注文がネットを通じて行われたという。

　 戦略について塗師省三・グループ在日代表（ブライアン・ケイ氏の後任）は「今後3年間で25万口座の獲得を目指している。オンライン証券業界の競争はクオリティの追求に移行していくと考えており、商品ラインナップ、分析ツール、レスポンスなど他社に比べて優位に立っている。取引とは別に投資関連教育にも注力し投資家層の広がりにも貢献していく」と自信をみせた。

●NECと開発した多様な機能やアクセス方法
　 取り扱う株式は、日本の上場・公開企業の94％となっており、投資信託もグループの山一アセットマネジメントと協力しさらにセレクト、拡充していく。このほか、信用取引やワラント為替、保険商品も取り扱っていく予定。

　 また、協力しているNECの吉川英一専務は「技術的な面を中心にサポートしていき、オンライン取引のガイド役を務める」と述べた。具体的な協力としては（1）アクセス方法（2）「BIGLOBEインベスターズ」を通じたSG向けの情報提供（3）トレードセンターのアウトソース（4）NECのパソコンにSGオンライン支店のサービス内容を同梱―を挙げた。

　 SGオンラインの大きな特徴のひとつにもなっているアクセス方法では、現在Web、電話（コールセンター）、電子メール、専用ソフトGTS（グローバル・トレード・システム）を通じて可能だが、今後できるだけ早い時期にiモードからのアクセスや、自動で音声により注文等が可能になる自動音声認識装置「ボイス リコグニション」によるアクセスを開始させる。「音声」ならば通常の固定電話や携帯電話でも、パソコンからのインターネット電話でも操作が可能だという。

　 専用ソフトのGTSは、分析ツールが100種類以上あり、リアルタイムの株価やニュースなどの情報がクリック無しで自動更新される。通常のWeb上でも株価などは約30秒毎に自動更新されるが、圧倒的にGTSの反応の方が高速になっている。

●「マーケットスピード」との違い
　 専用ソフトを用いる点は、DLJdirect SFG証券の「マーケットスピード」と競合する。これについて、ダルブラン支店長は「圧倒的にレスポンスが違う。ニュースや株価情報、注文画面などウインドウを複数開ける上、すべてのウインドウ内の情報が自動更新されてもレスポンスの低下は無い」と述べた。さらに「マーケットスピードはクローズドのシステムだが、GTSはオープン。GTSで提供される数値やテキストなどすべての情報をExcelなど他のWindowsアプリケーションに取り込み・加工が可能。つまり、GTSで提供された情報などはすべてユーザーのものになるわけだ」とアピールした。Excelでは、SG独自のマクロも用意され、それを使ったユーザー独自の分析も可能にしている。

　 しかし、現在、GTSはWindows対応のみ。欧州ではMacintoshにも対応しているが日本ではこれから開発していく計画。当面の間、MacユーザーはGTSを使えないわけだが、同等の機能が提供されるWebサービスはMacユーザーも利用できる。