FINANCE Watch
MRAMチップの小型化に成功、2004年には量産へ~米モトローラ

  米モトローラは256K不揮発性MRAM(磁気抵抗RAM)小型メモリーを開発したと発表した。米国の半導体研究機関である“DigitalDNA Laboratories”との共同によるもので、パソコンや携帯端末などへ応用することで、遅い起動時間や短いバッテリー寿命など現在考えられるIT機器の悩みを解消する、という。2003年までのサンプル出荷、2004年の量産体制構築を目指す。

  MRAMメモリは、シングルトランジスタと、単一の磁気トンネル接合によるメモリーセルがベースで50ナノ秒未満という高速での読み出し・書き込みサイクルを実現。またパソコンなどの電源が入っていないときでも、メモリー内にプログラムやデータを保持しているため、起動時にハードディスクへデータを読み込みに行く必要がない。パソコンでも携帯端末でも電源をオンにした段階で瞬時に起動する、という。

  不揮発性なので電源をオフにしても記憶が消えることは無く、さらに従来のDRAMやフラッシュRAMに比べて消費電力が数分の1といった特徴も持っているので、バッテリーなどの電池寿命を大きく改善。アウトドアを舞台にする携帯端末にも最適の能力を備えている。

■URL
・ニュースリリース
http://www.mot.co.jp/SPS/html/ad/pre/MRAM-0207.html
・2000年の世界半導体市場は過去最高の2,040億ドルに~SIAまとめ
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/02/06/doc1907.htm
・米モトローラ、中国生産を増強~天津に19億ドル再投資へ
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/08/22/doc208.htm

(市川徹)
2001/02/08 10:41