コンサルティングなどのアクセンチュアは31日、電子商取引推進協議会(ECOM)、経済産業省と共同で行った「平成12年(2000年)度電子商取引に関する市場規模・実態調査」を発表した。1998年から行われているもので、今回は2年ぶりBtoB(企業間)を調査したほか、eマーケットプレイス(BtoB)とモバイルコマース(BtoC)の市場規模を日本で初めて取引品目別に推計。さらに、ブロードバンドの普及がBtoCに及ぼす影響も試算している。
調査結果・予測によると、2000年のBtoC市場規模は8,240億円と推計され1年間で約2.5倍に急成長している。大手がECに本格参入してきたことや、モバイルでの利用が急速に普及したことがその要因とし、モバイルだけで590億円(全体に対する比率は7.2%)の市場規模。
2005年のBtoCの市場規模は13兆3,000億円、モバイルだけで2兆4,500億円(同18.4%)に成長すると予測している。EC化率でみた日米比較では、2000年は日本が米国に3年程度遅れをとっているが、2005年にはこの差が2年程度に縮まると予想している。
ADSLなどブロードバンドサービスの普及がBtoCに与えるインパクトとしては、2005年単年で3兆5,000億円と推定され、向こう5年間に市場規模を累計で6兆5,000億円押し上げる効果があるとみている。
BtoC
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市場規模
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セグメント別構成比
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米国比較
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モバイル市場規模
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モバイルセグメント別構成比
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一方、2000年のBtoB市場規模は21兆6,000億円と推計され、ここ2年間で2.5倍、年率にして60%成長している。この市場規模は、すでに香港の1998年のGDPを上回る水準だという。2005年の市場規模は111兆円(カナダ、メキシコのGDPを合計した金額を上回る)になると予測しており、今後5年間で5倍に急拡大していく見込み。このうち、eマーケットプレイスの市場規模は2000年の2,000億円(全体に対する比率0.9%)、2005年には44兆円(同39.4%)に拡大するとみている。
日米比較では、2000年には1年弱に縮まったものの、2003年以降電子・情報関連製品や自動車関連品目などECをこれまで積極的に活用してきた産業の成長が鈍化するため、日米格差が再び開くとみている。これら、EC先進分野に対して化学品、紙・事務用品などでEC化の遅れが顕著で、今後IT活用度の差が産業間の競争力格差につながる「産業間デジタルデバイド」が進行することも懸念されるという。
BtoB
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市場規模 (EMP=eマーケットプレイス)
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セグメント別構成比
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ブロードバンドの効果
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■URL
・アクセンチュア
http://www.accenture.com/jp/
・電子商取引推進協議会(ECOM)
http://www.ecom.or.jp/
・今後3年で日本の売上10億ドルに~アクセンチュアCEOが会見
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/01/12/doc1644.htm
(別井貴志)
2001/01/31
18:59
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