丸善（8236）と大手オンライン書店「bk1」を運営するブックワンは22日、書籍のネット販売事業で提携したと発表した。まず、丸善の店舗と「bk1」のサイトを連携させ、ECに関する在庫、仕入れ、物流インフラを共有する。実際の店舗とネット上の店舗が手を組みそれぞれの強みを発揮しながら相乗効果をはかろうという「クリック＆モルタル（ネット上の店舗と実際の店舗の意）」戦略で売り上げの拡大を目指す。例えば、店頭から姿を消した書籍を「bk1」で補完し、本を手にとって見たいユーザーには、丸善が対応できるようになる。

　 ブックワンは、「bk1」上で2月5日から丸善が取り扱う一般向けの洋書を販売し、サイトやメールマガジンを使って作家のサイン会など丸善で行う各種イベントを紹介する。一方丸善は、本店の日本橋店をはじめ全国12店舗に「bk1」コーナーを設置し、「bk1」サイトで取り上げられている一般書籍の紹介などを行うなどの店頭プロモーションを実施する。丸善はこれまで一般書籍も扱ってきた既存のサイト「丸善インターネットショッピングサイト」のリニューアルをはかり、学術書籍中心のサイトへと移行させるほか、洋書データベースと「bk1」の受発注システムをオンラインで結ぶことによって、「bk1」のユーザーは約2万5,000タイトルの洋書を検索、購入できるようにしたという。

　 また、丸善はブックワンの発行済み株式の4％を取得した。4％の内訳は、これまでブックワンの株主だった図書館流通センター、日経BPから1.5％ずつとアスクルから1％。

　 両社はそれぞれの得意分野に特化した事業を展開しながら、「クリック＆モルタル」サービスで業界をリードしていく構えだ。