米連邦準備制度理事会(FRB)は3日(現地時間)、連邦公開市場委員会(FOMC)を緊急で開き、1998年11月以来2年2カ月ぶりとなる利下げを決めた。短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を6.5%から0.5%引き下げて6.0%とし、即日実施した。公定歩合についても6.0%から0.25%引き下げて5.75%とした。
FOMCは、今月30日に定例の会合が開催される予定だったが、FRBは景気の減速が予想以上に進んできたと判断、これを待たずに電撃的な利下げを決めた。FF金利は2000年5月に0.5%引き上げられ、据え置かれてきた。0.5%の利下げは1992年7月以来であり、FRBの米景気に対する厳しい認識を示した形だ。またFRBは今回、公定歩合の追加利下げの用意についても表明しており、景気の行き過ぎた減速への警戒に強い姿勢を示している。
3日の米株式市場は、緊急の利下げを好感して急騰した。IT関連企業などが中心となるナスダック総合指数は、前日の急落から終値比で324.83ポイント高の2616.69となった。上げ幅は14.2%で、昨年12月5日を上回る過去最大。また、ダウ工業株30種平均も、前日終値比で299ドル60セント(2.8%)高の1万945ドル75セントとなった。
■URL
・FOMCの緊急声明文
http://www.federalreserve.gov/BoardDocs/Press/General/2001/20010103 /default.htm
・2001年世界経済展望~中平幸典・国際経済研究所副理事長に聞く
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2001/01/01/doc1578.htm
(沖野宗一)
2001/01/04
10:09
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