【1面トップ】
●罰則を強化しても・・・
◇交通違反の罰則強化を柱とする道路交通法改正試案を警察庁が公表。ひき逃げの懲役刑を3年から5年に、酒酔い運転の罰金を10万円から50万円に増額するなど罰則を大幅に強化するという。当然!と言いたいところだが、待てよ、である。
昨年の交通事故件数は85万件を超え、7年連続で過去最悪を更新。うち、95%が酒酔いや速度違反などの違法行為の末に起きた事故で、事故を減らすためにはペナルティーを重くするしかない、というのが今回の罰則強化の狙いだ。
が、東京によれば、罰金を2倍程度引き上げた1986年の法改正の前後の事故件数は、85年約55万件、86年約58万件、87年約59万件と増加し、「罰金引き上げに抑止効果がうかがえなかった」という。
「罰則の全面引き上げは、全国のドライバー7,500万人の不公平感を広げる」と指摘するのは読売。人身事故を起こしても9割近くのドライバーは、刑に服することも罰金を払うこともない。軽微な違反を犯したドライバーだけが高額の反則金を支払わされている「矛盾」を解消することが先決というのだ。
罰則の強化だけで事故は減らせない。インターネットで警察庁のHPにアクセスし、あなたの意見を述べてみてはどうか。このニュース、朝日、読売、毎日、東京の4紙がトップで報じている。
◇自衛のための軍隊を保持する。集団自衛権の行使を可能にする。天皇を「元首」と明記する。こんな内容の憲法改正案を自民党最大派閥の橋本派がまとめた、と産経が報じている。
◇日経のトップは、建設省の高齢者住宅対策に関する記事。
【IT】
●再編に動くネット証券
インターネットを通じた株取引を専門に行うマネックス証券(8626)が、クレディセゾン(8253)の子会社であるセゾン証券を来年4月に完全子会社化し、6月をメドに合併する。
ネット証券業界では、日本オンライン証券+イー・ウイング証券、日興ビーンズ証券+インターネット・トレーディング証券と合併に踏み切る会社が相次いでおり、その背景にあるのが売買手数料の引き下げ競争。「10万口座ないと採算がとれない」と言われているだけに、生き残りを賭けた合従連衡の動きはなお続きそうだ。
◇本田技研工業(7267)の人間型ロボット「ASIMO」に貸出依頼が殺到、日経によればNHKの「紅白歌合戦」にも“出演”する見通しという。
【トピック】
●「借金棒引き」でようやく越年
どうやって年を越そうかと資金繰りに頭を抱えている企業は少なくないはず。準大手ゼネコンの熊谷組(1861)も同様で、青息吐息の日々が続いていたが、3カ月の長期に及んだ金融機関との債権放棄交渉がようやくまとまり、今日午前に正式発表の運びとなった(読売)。
債権放棄の額は4,500億円。しかし、それでもなお6,000億円余の有利子負債を抱えており、経営再建の道程は依然として険しい。
ゼネコン業界ではもう1社、三井建設(1821)が1,630億円の債権放棄を金融機関に要請する方針を固め、29日にも発表する、と日経が報じている。
◇1日から25日までに急性アルコール中毒で救急搬送された人の数は646人(うち女性211人)。昨年に比べ41.7%も増加していることが分かった(読売)。胃袋が空っぽになっても嘔吐は止まらず、最後は胃液も・・・。飲み過ぎには呉々もご用心!
[メディア批評家 増山広朗]
■URL
・瓦版一気読み バックナンバー
http://www.watch.impress.co.jp/finance/kawaraban/index.htm
2000/12/28
09:08
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