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マネックス証券 松本大社長(右) クレディセゾン 北條取締役(左)
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マネックス証券(8626)は27日、株式交換によりクレディセゾン(8253)の子会社であるセゾン証券を完全子会社にすると発表した。また、同証券はクレディセゾンと業容拡大、顧客サービスの向上を目的に提携したことも合わせて発表した。
マネックス株はこの日堅調な動きで上昇したが、14時22分にこの発表を受け前日比1,300円高(2.5%高)の5万3,500円で売買停止。クレディセゾンは売買停止にはならず同20円高(0.8%高)の2,420円で取引を終えた。
株式交換期日は2001年4月1日で、セゾン証券の50円額面普通株式171株に対してマネックス証券無額面普通株式1株を割り当てる予定。完全子会社化後は、6月30日を目処に吸収合併する計画。
クレディセゾンとの提携では、セゾンのクレジットカードによるマネックス証券総合口座の決済や、インターネット取引のカード決済・クレジット供与などが行われる見込み。
両証券の口座数を合わせると約15万口座(11月末現在、重複口座数については不明のため慨算)となり、オンライン証券口座数では野村証券(8604)、大和証券グループ(8601)に次いで国内3位になるという。
記者会見したマネックス証券の松本大社長は「今後商法改正が行われたり、確定拠出型年金が導入されることなど、預金から証券市場に資金が急激に流れる可能性が高く、そのメリットを十分享受できるよう今回の子会社化と提携は最大のシナジー効果をもたらすと期待できる」と述べた。
マネックス証券のメリットとしては、(1)一気に5割増の口座数を獲得できる(2)クレジットカードと証券総合口座の相互活用・決済によるネットワーク口座の構築(3)セゾンカード会員との関係確立――の3点を挙げた。口座数については重複数がどの程度あるかまだはっきりしていないが、セゾン証券の口座数5万360口座の内、およそ9割はセゾンカード会員ということで、それほど重複していないと予想している。セゾンカードの会員数は現在1,000万人で、毎月20万人のペースで増えているという。
一方、松本社長は同証券がデイリーで発行しているメールマガジン“マネックスメール”の中のコラム“松本大のつぶやき”で今回の件に触れており「証券会社が銀行になれない一番大きな理由。それはマネーの使い勝手の悪さや出入り口が少ない問題」とし、「もともとMONEXという社名は新時代のMONEYを提案して行きたいと考え、MONEYのYを一つ先のXにしたものでした。新世紀のマネックスに御期待下さい」と述べている。
ここにきて、採算性の厳しさからオンライン証券同士の合併が相次いで表面化している。
■URL
・マネックス証券IR
http://www.monex.co.jp/static/MONEX/HOM/HOM_VWhats_IR_GFrm.html
・セゾン証券
http://www.saisonet.co.jp/
・セゾン証券、カード会員に注力するインターネット取引を4月25日から開始(INTERNET Watch)
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2000/0317/saison.htm
(別井貴志)
2000/12/27
18:51
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