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モバイル環境でも滑らかな動画像実現~NTTが圧縮新技術

  NTT(9432)は、インターネットやモバイル環境においても高画質で滑らかな動きの映像を実現する圧縮新技術を開発した。複数の動画像の背景から“スプライト”と呼ばれる1枚の静止画像を生成して圧縮効果を高めるもので、スプライトを自動的に生成し符号化までを行うアルゴリズムも開発した。NTTグループが進めている光ソフトサービスで実用化を図る。

  新技術は、MPEG-4超高圧縮映像符号化方式(VideoESPER)。従来、各動画像フレームから動きの特徴(動きベクトル)を求めて予測画像を生成し、その画像と実際の画像の差分を符号化する方式が多く使われてきたのに対し、VideoESPERでは簡易なビデオオブジェクトモデルの考案し、圧縮符号化の対象となる映像の特徴に基づいて、スプライトを自動生成し符号化するアルゴリズム(スプライトモード)を開発。どのような映像に対しても効果的な符号化を行うために2種類のMPEG-4符号化方式(ノーマルモードとスプライトモード)を自動的に切り替えるアルゴリズムも開発して、符号化の完全自動処理を実現した。

  これによって、ビットレートが数百kbit/sでも、従来方式比で2~3倍のフレームレートという動きの滑らかな映像作成を実現。陸上競技のようなカメラの動きの激しい映像に対する圧縮効果が大きく、将来的には、中高速光ネットワークやIMT-2000などを通じて高品質なスポーツ映像観戦が可能になる、という。

■URL
・ニュースリリース
http://www.ntt.co.jp/news/news00/0012/001225.html

(市川徹)
2000/12/26 10:03