日本ビクター(6792)は、圧縮された音楽データを高音質で再生する新技術「コンプレッション・コンペンセイティブ(CC)コンバーター」を開発し、さらにこのLSI化とソフトウェア対応に成功した。申請中も含め特許22件を出願しているほか、MD(ミニディスク)、BSデジタル放送などあらゆる音楽ソースへ展開していく考えだ。
一般的に、デジタル信号を圧縮すると容量が小さくなって伝送レートは下がるものの、音楽の広域成分の一部が欠落したり、アナログからデジタルへの変換時には歪が発生する。新開発の技術は、bit拡張、周波数変換、帯域拡張の3つの部分で構成し、それぞれのパートが独自のリアルアルゴリズムを使って、圧縮する前の信号をあらかじめ想定する機能をもつため、元の音が持つ微妙なニュアンスまでも維持したままで信号の処理ができるようになった、という。
また3つのパートを小型のパッケージに1チップ化したLSIと、圧縮した音楽に適した周波数帯域拡張部の信号処理を行うソフトウェアも開発。これらを搭載したデジタルAV、情報機器の商品化をめざすとともに、ライセンスビジネスも計画している。
■URL
・日本ビクター
http://www.jvc-victor.co.jp/
・処理速度を従来比で3倍スピードアップ~NTTのTwin VQ
http://www.watch.impress.co.jp/finance/news/2000/10/06/doc636.htm
(市川徹)
2000/12/22
11:30
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