情報は時とともに劣化する・・・

　 【1面トップ】
　 ●発信源は？
　 まず産経の1面トップ。石油元売りのジャパンエナジー（5014）と昭和シェル石油（5002）が、2005年4月にも「合併する方向で最終調整に入った」という。同様の記事は、読売の1面と朝日の3面にも掲載されており、読売は「販売部門を含めた経営統合を検討している」と報道。朝日も「販売面の統合も検討している」と報じている。

　 この3紙だけかと思ったら、まだあった。日経も11面で「石油の精製や物流に続き、販売面でも提携する方向で検討に入った」と、やや控え目に報じている。昨日、産経など5紙が一斉に報じた日本生命保険と野村証券（8604）の提携のニュースは、前夜のNHKのスクープがきっかけだったが、今日の“同着スクープ”の場合は？

　 昨夜、昭シェルが石油産業担当記者を招いて懇親会を開催したそうだが、同社首脳がその場でポロッと漏らしたのだろうか。

　 ◇激増する少年犯罪を防ぐ処方箋は？　読売によれば、この2年間に発生した特異な少年事件22件を警察庁が調べたところ、事件を起こした25人中22人がナイフへの執着や動物虐待などの「前兆行動を見せていた」という。

　 また、突発的に犯行に走った「いきなり型」14人中12人が、周囲に犯行をほのめかしたり、相談などの形で悩みを訴えたりしていたが、「周囲が本気と受け止めたのは1例だけ」。では、本気と受け止めることができたら犯罪は防げたのか？

　 警視庁は、「家庭や学校、警察のほか、医療機関を含めた関係機関のネットワークづくりが求められ、相談には継続して話を聞いたり、きめ細かなフォローが必要」としている（東京）が・・・

　 ◇きのう、「郵便貯金振興会」の所得隠しをスクープした東京が、2日連続で脱税摘発のスクープ。今度は建設省の外郭団体「道路サービス機構」が3年間で約7,000億円の所得を誤魔化し、追徴課税処分を受けたという。東京の国税局担当記者は、かなり敏腕なようだ。

　 ◇社会部発のトップ記事をもう1本。福島県公安委員会の元委員長が在任中、長男が起こした酒気帯び運転の交通違反をもみ消すよう警察署長に依頼、警察側がこれに応じていたことが分かった。

　 警察の発表だが、毎日は「公安委員会のトップの『もみ消し依頼』が発覚したのは極めて異例」とトップで報じている。公安委員のレベルは所詮こんなもんだが、それにしても腹立たしい限りである。

　 ◇米ゼネラル・モーターズ（GM）など米欧日の自動車大手5社が設立した部品・素材の電子商取引市場に、トヨタ自動車（7203）など日本の自動車・同部品5社が新たに加わり、ネット調達の「世界標準市場」が誕生する、と日経が報じている。

　 「世界標準市場」は日経の造語。1面トップにするために「世界標準」の見出しが欲しかった、ということなのでしょう。

　 ◇朝日は、老人医療費に関する記事。健保組合の危機的状況を報じている。

　 【IT】
　 ●PCが正常に作動しない！
　 パソコン歴10年余。千葉県内の女性がパソコンを自宅に持ち帰って作業すると「短い時には1分程度で通信が切れ、1日20回以上も接続したケースも」。通信テストに利用したプロバイダーは6社、パソコン約20台、メーカーやNTTなど相談した企業・機関は約20カ所に上るが、未だに原因が分からず、「まだパソコンとの“格闘”が続いている」という。

　 同じようなトラブルを抱えている人は、東京の特報面（8～9面）をどうぞ。

　 筆者のパソコンも、しょっちゅう強制切断のトラブルに見舞われているが、インプレス関係者によれば「あんたの使い方が悪いからだ」とか。蛇足でした。

　 「銀行に対する外形標準課税の適用は、特定の銀行のみを狙い撃ちした差別的なもの」と主張する原告。「地方税72条は、事業税の特例として電気・ガス・生保・損保以外の法人にも『事業の情況』に応じて課税できる、と規定しているじゃないか」と反論する都側。21日に東京地裁で開かれた第1回口頭弁論は、全面対決で幕を開けた。

　 裁判の焦点は、この「事業の情況」に基づく都の課税裁量権の当否。原告の銀行側は、条例の合憲性についても争う姿勢で、裁判は長期化が予想される。

　 ◇21日の東京市場は、東証平均株価（日経平均）が一時700円を超す大幅な下落を記録した。株価の先行きについては、「2月危機説」をはじめ悲観論と楽観論が交錯する不透明な展開になっている。

　 この先、どちらに転ぶかはまさに「神のみぞ知る」だが、不良債権問題が再び深刻な問題となりつつあることが気になる。

　 [メディア批評家　増山広朗]