デジタルコンテンツの総合的なプロデュースを主とするクリーク・アンド・リバー社（4763、C＆R社）は21日、2001年に米国へ本格的に進出する方針を明らかにした。このための準備事務所を2001年半ばに開設する計画。すでにインドには現地企業と提携して進出を果たしており、米国をターゲットにするビジネスは広く欧米市場をにらんだ世界戦略への布石になる。

　 C＆Rはマルチメディアクリエーターを中心とする技術者の登録業務会社で、今年6月にナスダック・ジャパン市場に上場している。今年11月末時点でのクリエーター登録数は1万4,000人を超え、600社以上の制作会社をネットワーク化している、という。しかし国内にはデジタル関連のプロフェッショナルクリエーターが10万人はいるとみられ、C＆Rはこの国内登録数の拡充を進め、同時に海外市場への参入も行う。

　 米国は、事業化に関わる提携を終えたインドと、準備を進めている中国・上海に次いで3番目の海外進出。需要だけをみるなら米国は世界トップの市場のほか「クリエイターに国境は無い」（井川幸広社長）ことから、米国に拠点を作り足固めをして欧州市場を視野に入れる考え。準備事務所の設置はニューヨークを候補に挙げている。

　 C＆R社の2001年2月期の第3四半期（9～11月）業績は、売上高16億6,000万円（前年同期比51.2％増）、経常利益1億2,300万円（同5.15倍増）、純利益6,990万円（同4.6倍増）の大幅な増収増益。好調な業績を背景にして世界各地の拠点作りを進めることにした。