日立製作所（6501）は20日、同社のグループ社員や退職者およびその家族向けに、インターネット上の金融ポータル「日立フィナンシャル・コミュニティ（HFC）」を2001年4月から始めると発表した。提携金融機関の金融商品の紹介や、希望者については個人のライフスタイルに合った資産運用のアドバイスなども行う。

　 HFC事業を支えるインフラには、同社のネットビジネスブランド「キュービアム」が提供するサービスを活用する。個人が持つ複数の金融機関の商品を一元管理する個人資産情報代行管理サービスを提供し、利用者同士の情報交換などを目的にしたコミュニティ活動の支援も行う予定。当面は同社の金融部門の日立キャピタル（8586）が中心となって事業を運営するが、将来はHFC事業を行う別会社の設立も視野に入れているという。

　 日立が事前に行った社員アンケート調査では、先行き不透明の時代を反映して将来のライフプランに対する不安や、個人の立場に立った資産運用のコンサルティングに対するニーズが高まりつつあることが明らかになった。同社はこれまで培ってきた金融機関向けのシステム構築などのノウハウを生かし、提携先の金融機関との連携で優良な金融サービスをワンストップで提供する事業を展開する構えだ。